私立戦国高等学校

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「ねぇ、石田さん…ちょっと話があるんだけど?」


また女子からの呼び出し。

でも今日はいつもと違う感じがした。

嫌な予感…。背中を変な汗が伝った。


「あのー、話って何かな?あはは…」


愛奈が呼び出されたのは、お約束の体育館裏だった。

そしてそこには数人の女子と危ない感じの男が数人いた。

中心に立っている女が口を開く。


「何じゃないわよ。しらばっくれるつもり?
私に協力するって言っておいて、自分が一番加藤くんにベタベタして…
この、裏切り者めが!!」


この女は…確かうちの学年の裏番だったような…

そういえば協力するって言ったような…

てか、この状況ヤバくね?
後ろに怖いおにーさんいるよ?

コンクリート詰めにされちゃう感じ?


「わ、私は別にベタベタもニャンニャンもしてないよ!」


「いや、別に誰もニャンニャンは言ってねぇよ…」


弱気になるな愛奈!

強がれ!いや、むしろ私は強いぞハッハッハ!


「ちなみに清正はワンワン派だ!!」


「えっ、そうなの?…って聞いてねぇよ!!」


裏番がノリツッコミをかましてきた。

よし、こっちもボケてやろうじゃねえか!


「そして清正はマゾヒズム出身のマゾヒストの中のドM船長だ!!」


「えっ…マジで…?」


「嘘だ」


「なんなんだよテメェは!
一瞬、加藤くんの性癖を疑ってしまっただろうが!!」


その台詞を聞いてある考えが浮かぶ。


「本当はお医者さんプレイが大好きなマザコンで、お仕置きされると泣きながらハァハァ喜んでる変態だぞ」


「え……」


よし、引いてる引いてる。

名付けて『清正に幻滅させちゃえプププ作戦』!


「加藤くんに限ってそんなわけ…」


「いや…それがマジだから困るんですよ、奥さん。
この前も、俺の注射で治療してやる…とか言われたし。
あと、あいつは男癖も悪くて…
私の兄貴を襲うために毎晩うちに来るんですよね、ホントいい迷惑!
『三成、俺を蹴ってくれ!愚かで馬鹿な俺を罵ってくれ!無視?放置プレイが好きなのか?しょうがねぇ、俺を好きなだけ放置しろ!放置すればいいだろ!?』
って毎晩うちに来て…
シカトすれば放置プレイだし、蹴り飛ばせばハァハァするし…
こんな奴に私がベタベタすると思います?」


言ってやったぞ…!!

清正ごめん!マジでごめん!

というか、よくこんな嘘思いついたな、私!


「そ、そんな…!!
加藤くんに限ってそんな変態豚野郎だなんて…あり得ないわよっ!!!」


はい、あり得ないです。

むしろあいつはSっ気が…!

どうすっかなー、いつかバレるよなー。

信じさせる証拠が必要だ。


「あんた、そんなに言うなら加藤くんがゲス野郎だって証拠見せなさいよ!」


そうだそうだ、なんて言う声が上がる。


「いいですよ?吐き気を催しても知りませんからね?
今は持ってないので明日までに用意してやるぜ!!」


ここまで来たらやるしかない!
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