私立戦国高等学校
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私が自分の気持ちに気付いてから既に1ヶ月が経とうとしていた。
「お兄ちゃんはお返しとかしないの?」
「向こうが勝手に押し付けてきただけなのに
どうして返す必要がある?」
「ホント潔癖な性格だね…」
今日はホワイトデー。
女の子はみんなそわそわしていた。
私もその内の一人。
なんとなく清正を気にしていた。
(一応チロルチョコあげたし…いやでも、あげたうちに入るの?)
あれから何も進展していなかった。
特に気まずくなるわけでもないし、アピールすることもなかった。
曖昧なこの距離が心地よかった。
「……だ……しだ…石田!!」
はっ!今が授業中だってこと忘れてた!!
「は、はいっすいませんっ!」
「で、ここの答えは?」
ヤバい、わかんない…全く聞いてなかった。
テンパってるなか、隣をちらっと見ると呑気に爆睡していた。
清正の野郎…寝やがって!
「聞いてませんでした…すいません」
「ド阿呆、ちゃんと聞いとけ!」
そう答えるとクラスのみんなに笑われた。
兼続は答え教えてくれたんだけどなぁ…
でも私は清正のそんなところでさえ可愛いと思ってしまうほど重症なわけで…
いつからこんなに好きになってたんだろう、と意味の無い自問自答を繰り返していた。