私立戦国高等学校
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「あの、急に呼び出してごめんね!」
「あー、いいよ。いつものことだし」
じゃあ呼び出すなよ!と心の中で悪態をつきながらも、作り笑いでカモフラージュする。
女の世界ってのは厄介だ。
「で、どっち目当て?
お兄ちゃん?清正?」
「こ、この手紙を…三成くんに…!」
「はい、了解。渡しとくわ」
「ありがとう、愛奈ちゃん!」
このやりとりは何回目だろうか…
三成と清正はモテる。
そして、その二人と親しい愛奈はよく女の子に呼び出される。
二人共、顔だけはいいからなぁ。
「お兄ちゃん、これ…隣のクラスの女の子からラブレター!」
三成はそれを受け取るとビリビリに破った。
「ちょっと!何してんの!?
怒られんの私なんだけど!!」
「その女に伝えておけ。
俺に用があるなら直接言いにこいと」
「はぁ…わかりましたよ!…めんどくさ…」
今日も女子からの呼び出し。
あー、つまんないの。
全然関わりのない人の恋愛なんて正直興味ない。
そもそも、三成と清正は相手にしていなかった。
だから何となくどこか安心している愛奈だった。