私立戦国高等学校

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戦国高校のヤンキー勢力はいくつかあるが、中でも一番大きい勢力なのが小太郎が仕切るグループだ。

それは、他の学校の生徒ですら知らない者はいないというくらい強いグループだった。

そして、対立していた校内のヤンキーグループも今は打倒三国を掲げて団結していた。


一方、三国工業高校にもヤンキー勢力はあった。

そして、それをまとめているのが甘寧だ。


両校のヤンキーがバス停や駅で鉢合わせると必ず喧嘩や乱闘になっていた。


「ククク、そろそろ頃合いか…」


「戦国の風魔か…ぶっ潰す!」


ある日の朝、正則が傷だらけで登校してきた。


「おい、馬鹿!どうしたんだよ!?」


「おぅ、清正!喧嘩だ!あの野郎ムカつくぜ!
ま、俺が勝ったけどなぁ!」


「正則…あの、ごめんね?」


「?なんで愛奈が謝るんだよ?」


「だって…私が絡まれてるところを小太郎先輩が助けてくれて…
それがきっかけだったから…」


「お前は関係ねぇよ!
これは男と男の戦いだからな!」


次の日の放課後、戦国高校のグラウンドは戦場と化していた。


両者、100人を連れての決闘だった。

昨日、風魔のところへ果たし状が届いたらしい。


「クク…ようやく来たか…
なかなか来ぬ故、怖じ気づいたかと思ったぞ…」


「誰が怖じ気づくかよ!?ぶっ殺してやんよ!」


「ちょっと待ったぁ〜!!」


「あ″?誰だコラ!?」


ざわつく一同。

決闘にストップをかけたのは愛奈だった。


「あ、あの…な、殴り合いじゃなくて…
論議で決めませんかね…?」


は!?なめてんのか!?ふざけんなよ!という大ブーイングの中、思案する風魔と甘寧。


「論議とは、具体的に何をするつもりだ?」


「それはお楽しみです!」


「まぁ、若干気に入らねぇけどいいぜ!」


「我もいいだろう…」


よっしゃ!と心の中でガッツポーズする愛奈。


「頭りょ…間違えた、番長!どういうことですか!?」


「まあ見ていろ。まさに混沌よ…」


そして、なぜか参戦する気満々の2年B組。


「ではでは…
『第1回チキチキ!勝つのは誰だ!?
こんな〇〇は嫌だ対決〜♪ドンドンドン、パフパフパフ』
審査員は私、石田愛奈がつとめさせていただきます!」


またもやざわつく会場。
が、お構いなしに司会は進んでいく。


「では、第1問!デデン♪
『こんなクリス松村は嫌だ!』」


謎のテンションの愛奈につられて周りのテンションも次第に上がっていく。


最初に挙手したのは風魔だった。


「では、小太郎選手、回答してください!」


「…押すという中身が出る…」


「おぉー!いいですね!ところてんみたいなねぇ!
戦国高校5ptです!」


よっしゃあ!と戦国高校の生徒たち。


「はいっ!」


「趙雲選手、どうぞ!」


「進化するとクリストファー村松になる」


「ぶはっ!面白い!三国工業5pt!」


いつしか、乱闘ではなく平和な大喜利大会になっていた。


「兼続選手、どうぞ!」


「シャンプーがヴィダルサスーン!」


「…それはお前だろ。つまんねぇよ。
あと下唇微妙に噛んで発音してるところが非常にウザイ。
戦国高校−10pt!」


「いや、私にだけ冷たいぞ!ふ、不義だぁぁ!!」
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