鈍感な幼なじみ

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「ユリアはジャンのことが好きなんでしょ?」


「ゲホッゲホッ!」


私はマルコが言い放った言葉を聞いてむせてしまった。


「な、なわけないでしょ…」


「隠してもバレバレだよ。
きっと僕以外の人もみんな気付いてるだろうね」


ニコニコと恐ろしいことを言うマルコ。

まさか、ジャンにもバレてるの!?


「大丈夫、ジャンにはバレてないよ。
寧ろジャンは気付くべきだと思うんだけど…」


「良かった、バレてないんだね!
バレたら死ぬ、確実に」


だって、もう友達でいられなくなりそうだから。


「で、ユリアのことだからきっと誰にも言ってないんでしょ?」


「うん、言えないよ…」


「だと思った。
だから、僕でよければ話し聞こうと思って」


「マルコ…!結婚しよ!」


「それはジャンに言えよ」


「言えません。
だってジャンはミカサが好きなんだよ?
応援するとまではいえないけど、友達でいられればそれでいいよ」


「ハァ…まったく、二人とも鈍すぎる…」


なぜか盛大に溜め息をつくマルコ。

私、なんかおかしいこと言ったっけ?


「おい、お前らコソコソと何の話してんだよ。
俺も混ぜろ」


「ジャン!
な、なんでもないよ!!ね、マルコ!?」


「うん、なんでもないよ。
ジャンは馬鹿だなあって言ってただけ」


「あぁ!?ざけんなよ!
俺がいない間にそんなこと言ってただと!?」


「ぎゃっ!いひゃい!いひゃいよジャン!!」


ジャンが私のほっぺたを引っ張る。

痛すぎて涙目になった。


「ブッサイクな顔だな〜!いでっ!
マルコ、何しやがる!!」


「ジャン、ユリアは女の子なんだぞ、仮にも。
女の子に不細工は言っちゃダメだ、思っててもね」


「「あんたが一番酷いこと言ってるわ!!」」


不細工かぁ…。ミカサは美人だもんね…。

私は胸の奥の痛みを隠すように自嘲的な笑みを浮かべた。
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