鈍感な幼なじみ
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はぁ、気まずい。
今まで長いことジャンと居たけどここまで気まずいのは初めてだった。
しかもジャンはなぜか傷だらけだった。
そういえばミカサが「返り血を浴びたから風呂に入ってくる」とか言ってたっけ…?
あれ、なんでだ?
「あのー…大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「でも、血まみれだよ…?」
「ああ、これはケチャップだ」
嘘つけ!ケチャップ浴びる奴がどこにいるか!
私はジャンを引きずって医療室まで行った。
「あのさ、さっきは…その、ゴメンネ」
「あ?なんでユリアが謝るんだよ」
「だって…私が足かけたんだし…」
罪悪感で泣きそうだった。
ジャンには好きな人がいるのに…
「それを言うなら俺が悪いだろ。
まぁ、今回のは事故だし…無かったことにしようぜ」
「うん…そうだね!無しにしよう!」
それで気まずさがなくなるならそれでいい。
私はただジャンと居られればそれでいいの。
ジャンに恋人ができたら幸せになってほしいし、辛いことがあったらいくらでも頼ってきてほしいと思う。
ただね、ひとつだけ…
これからもずっとあなたのことを好きでいさせてください。
私はそれだけでかまわない。