鈍感な幼なじみ

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今日は相乗りの訓練だ。

ムサい男と相乗りとか勘弁、とか思ってたけど神様はしっかり存在していた。

俺のペアはムサいという言葉からかけ離れた、可愛い可愛いユリアだった。

神様、仏様、教官様!

ユリアとペアにしてくれてありがとうございますっ!!


「ミカサじゃなくてごめんね」


でもやっぱりユリアの口から出てきたのはミカサという単語。

しかも皮肉っぽく笑ってやがる。

誰だよ、俺がミカサを好きだって言い出した奴!

あ、ユリアか。

うっかりユリアと同じ黒髪を見つけて興奮しちまったのがいけなかったか…

あーくそ、俺は昔からお前しか見てないってのに。

まあ、俺が告白でもすればいい話だけど。

でも、それはできねぇんだよ。

変なプライドと、関係が崩れるかもしれないっていう恐怖が邪魔する。


「もう少し俺に背中預けとけ」


ぎこちなく空いた体の距離がもどかしかった。

昔はあんなにベタベタしてたのにな…

お互い大人になりかけてんだ。

ガキの頃は風呂だって……風呂!?

うぉぉぉぉぉぉぉ!ヤベェ!


「馬鹿ジャン!」


やべ、俺が勝手に興奮してんのバレた?

仕方ねぇだろ、思春期なんだよ。


「あ?喧嘩売ってんのか?
馬鹿ユリア!」


他の奴に言われたらぶん殴ってるけど、こいつに言われると嫌じゃない。


俺、結構末期だわ。
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