鈍感な幼なじみ

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「ミカサとじゃなくてごめんね」


「だから何でミカサが出てくるんだよ!」


今、ジャンと馬の相乗りをしている。

二人乗りも必要になる場合があるらしい。

なんだこれ、恥ずかしい。

私はジャンの前に乗り、後ろからはジャンの腕が私のお腹辺りに回されている。

王子様とお姫様みたいな感じだ。

正直ラッキーだと思ってる。

でもそれを隠すように、皮肉っぽくミカサの話題を出した。


「お前、もう少し俺に背中預けとけよ」


「えっ!?」


「アレだよ、アレ!
あー…、そうだ、安定だ!安定しないんだよ!」


「うっ…失礼します…」


ジャンはなぜかめちゃくちゃ吃ってた。

うわ、なんか…ヤバい。

心臓がエラい事になってる。

こうも密着するといくら幼なじみとはいえ、すごくドキドキした。

あれ…でもいっつもおんぶとかして貰ってるよなぁ…

あれって結構密着してるんじや…

ってことは私今まであんなに密着してたの!?


「ッッー!!」


「え、どうした?おい、ユリア?
大丈夫か?熱あんじゃね?」


「無いっす!大丈夫だしっ!」


あーもう、耳元で喋らないでよね!

心臓がいくらあっても足りないわ!


「馬鹿ジャン!」


「あ?喧嘩売ってんのか?
馬鹿ユリア!」


「残念でした〜!
ジャンのほうが語呂がいいから、馬鹿なのはジャンのほうだよ〜!」


お馬さんと馬面と私。
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