腐った黒子と恋する黄瀬くん

□.5
1ページ/1ページ

 


※15禁程度の内容です。マスターベーション表現があります。







黒子と別れた後家に帰り、夕飯はと聞いてきた母の言葉へ曖昧に返事を返すと、自室に籠り鍵を閉める。
鞄を適当に放り投げると鞄からガチャガチャのカプセルが転がり出た。黄瀬はアニメイトの青い袋だけを持ってベッドへ寝転がり、袋の中から初めて買った自分用の商業誌のBL同人誌を出す。表紙には当たり前のように男ふたりが描かれており、少し切なげにこちらを見つめてくる小柄の少年が、どことなく黒子に似ている。
枕を抱きこみ、表紙を捲る。内容はごく在り来たりな物で、学園物の話しだ。お互いのすれ違いから始まり、男という壁を乗り越え、最後には結ばれる。そして、付き合う果てにはお決まりのセックス。
黄瀬は女役である、黒子によく似た顔をした男をいつの間にか脳内で黒子に置き換え話を読んでおり、ごくりと唾を飲み込んだ時に体の異変を感じた。


「う、わっ…やべ…」


下半身は己の妄想に忠実なようで、反応を示している。うつ伏せになりながら読んでいたので少し苦しく、軽く体をずらすと罪悪感を感じつつ、指をソレへと這わせた。
そこからはいつもと同じだ。ただ、違うとしたらオカズにしているのはグラビア紙や先輩等からもらったエロ本ではなく、BLの漫画だと言う事。
ちらりと、開いたままのそれへと目をやれば、受けの男が涙を流しながら果てており、脳内の黒子も同じように涙を流しながら黄瀬へと手を差し伸べ、黄瀬の名を呼びながら果てた。――競り上がる興奮と支配欲。


「っは、黒子、っち…っ、」


どくりと攻め込んでくる欲を手で受け止め、その後に襲ってきた疲労感にベッドへ沈むと大きな溜め息を吐く。
やってしまった。とうとうやってしまった。この際だから言ってしまうが、別に黒子をオカズにしてマスターベーションをした事がないわけではなかった、が、まさか黒子が愛するBL本をオカズにする日が来るとは思っていなかった。まあ、黒子をオカズしたことにはあまり変わりがないが、それでも見ていたのはBL本だ。しかも、黒子が愛する、だ。


「黒子っち、ごめん…俺は悪い子なんスよぉぉ…」


今まで見てきたBL本も、本当は受けに回る男を黒子にして置き換えてみていたので、どうしても男らしいがっちりした体つきの受けが受け付けれなかった。
まあ、そんな事を黒子に言っては、自分の体形を気にしている黒子に怒られてしまうだろう。
黄瀬は枕へ顔を埋めると黒子を思い出し、小さく顔をニヤけさせながら名前を呟いた。


「…黒子っち、好き…」








(もっともっと、黒子っちのことを知りたい)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ