long story parallel
□さかな
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「〜〜〜」
遠くで聞こえるのは俺を呼ぶ声だろうか。
名前が聞きとれない。
君はだれ?
君の瞳に映る俺は?
あれ?俺は魚?
キラキラと水を反射させて
君の瞳を光でいっぱいにする。
綺麗だ。
なにかを思い出さなきゃならない。
でも思い出せなくて
君は悲しい顔をする。
なぜそんな顔をするの?
何かを伝えようとする俺
必死に口を開いても
ぷくぷくとあぶくを出すだけだ。
分からない。
伝えたい。
伝えれない。
悲しい。
悲しい.....?
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はっと目が覚める。
夢か......
呼吸が浅くて息が苦しい。
息をすっているのに苦しい。
胸が苦しい。
水の中にいたような。深く沈んでいたような。
スマホの液晶には6:42の数字。
目覚ましがなるまでまだ少しあるのに。
「はぁ.....」
と大きくため息をつく。
また同じ夢を見た。
ここのところずっとあの夢だ。
水恐怖症とかあったっけ?俺。
そんなことを考えながらよいしょと起き上がる。
またなんてことのない1日の始まりだ。
あ、トイレトイレ。
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