long story parallel

□歌うたい 番外編
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番外編


ちゃんとミノに伝わったのだろうか。



店から帰っている途中
ミノの顔をちらりと盗み見る。

オレが歌っているとき、確かにミノは微笑んでいた。伝わっている.....はずだ。

キュッと車が停止する。
あ、信号か、とミノの顔から目を離して前を向いたとき ミノの手がそっとオレの手に伸びてきて

触れた。


心臓が躍る。

ミノの手が熱くて

強く握られたかと思えば ゆるゆると指を撫でられて

ミノがオレを欲しがってるって分かったんだ。


すごく嬉しくてすぐにじわじわと目尻に涙が溜まる。




オレたちはなんて遠回りをしてきたんだろう。




3ヶ月も共に住んでいる部屋にたどり着くのにすごく遠く感じて

エレベーターの中でキスをした。

さかりのついたガキみたいに。


ミノがオレを壁に貼り付けて噛み付くようなキスをする。

2人の今までのすき間を必死で埋めるかのように
お互いの唾液を取り込み合い隅々まで味わった。

ミノの粘膜から内側に入り込みたいとさえ思う。

オレの舌を根っこから吸いあげようとするから腰をミノに擦り付けてしまう。
すでにすこし反応しているオレ自身がミノのものに当たってもっと興奮を煽ったのか、ぐりぐりと円を回すように当ててくる。


早く早く部屋に行きたい。



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