long story parallel
□歌うたい
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歌う喜びを教えてくれた君に。
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オレは自分で言うのもなんだけどフラフラしている。むかしっから。
家は17の時に出たきり帰っていない。でも元々母親も家に居ない日が多くて、誰もいない場所なんかに帰りたくなかった。
でも不思議と泊まる場所やゴハンには困ったことはほとんどない。
夜の相手も。
年上だったり年下だったり女だったり男だったり
誰でもよかった。
その夜が寂しくなければ。
寒くなければ。
でもそんな生活が続くわけもなくて、ある夜ついにツキがまわったらしい。
複数の男たちに輪姦されて傷つけられ監禁されて
数日後ボロボロのままゴミ捨て場に放置された。
ああ、オレはこうやってのたれ死んでいくのか。はは、ぶさまだな。もう...どうでもいいや......
全て諦めて意識を手放した。
次に目をあけた時には白い天井が見えてほんとに死んだのかと思ったけど
意識がはっきりするにつれて身体中が痛くて、まだ生きているんだとがっかりした。
オレを拾った男は謎のやつだ。
拾われて1ヶ月。ようやく痛み無く普通の生活が送れるようになってきた。
そうオレは拾われた。
傷だらけで死にそうな人間を助けるなんて酔狂なやつがすることだろう。
こいつも他の奴らと変わりないに違いない。
そう思ってまた1ヶ月たった。
そいつはなにもしてこない。優しくもなく軽蔑した目でも見てこない。
なんなんだこいつは。
ミノという男は。
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