オハナシ 1
□きらきら
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「あっつ・・・」
目を細めて空を見上げれば刺すような日差しが降り注いでいる。
夏。
廊下に出てみれば少しは涼めるかと思っていたけれど、ほとんど風もなく逆に日射しが暑いだけだった。
が、部屋に戻る気力もなくぼーっと庭を眺めている。
「そんなとこにいたら溶けんぞ」
「清盛さん…。確かに溶けそうですね。部屋にいるより風が涼しいかと思って出てきたんですけどね」
「逆効果だな」
こう暑いとせめて扇風機が欲しいところだけれどそれもこの時代では叶わない。
「海でも行きたいですね。」
「は?海?何しに?」
「泳いだりとか?水遊びすれば結構涼しいかなって」
「泳ぐ…」
「あ、私たちの時代はそういう遊びもあって。」
「つーかそれじゃあずぶ濡れじゃねーか。」
「ああ。それは、そういう用の服があってですね。」
「へー。つーか、ここほんとにあちーよ。」
手でぱたぱたと顔を仰ぎながら清盛さんは立ち上がり、部屋へと戻っていってしまった。