お題

□好きにすれば?(興味ないから?)
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朝の日差しが差し込み、名無しさんは眩しそうに目を開く


「…んー…今日もいい天気」


ベッドから降り窓を開けると爽やかな風が部屋の中に入ってきた

パジャマから制服に着替えると学校の支度を整えて、階段を降りる
朝食のパンを食べながら朝のニュースを見ていると星座占いが始まり自分の星座が出るのを待つ


「やった、今日1位だ!
なになに…恋愛運最高!遥といいことあるかな〜」


浮かれた気分で家を出た名無しさんは、前を歩く遥を見つけた


「さっそくいいこと起きちゃった!はーるーかー!」

「朝からうるさいなあ、そんなに大声出さなくても聞こえてるよ」


遥が後ろを向いて立ち止まる
文句を言いながらも立ち止まってくれる辺りが遥らしい


「わっ!ちょっと!」


名無しさんは遥に追い付くとそのまま抱き付いた
普通ならここで男の子が女の子をしっかりと受け止めてくれるはずなのだが…
遥は名無しさんを受け止めると勢いで後ろに倒れてしまった


「…いたたた…
はっ、遥!?しっかり!」

下敷きにされた遥は目を回して伸びてしまっていた
名無しさんが肩を揺すると遥が微かに目を開いた


「遥!大丈夫!?」

「うぅ…いたい」

「ご、ごめん」

「それより…
朝から道端で押し倒すなんて大胆なんじゃない?」

「へっ!?あっ…ちが…ごめん!」


完全に押し倒す形になっていることに気付かされ、慌てて遥の上から退くと遥が起き上がった


「ほら、遅刻するから早く行くよ」


そう差し出してくれた手を握り返し遥の力を借りて立ち上がる
そして手を繋いだまま歩き出した

急ぎ足でこっちを向いてはくれなかったけど、手に力を込めるとぎゅうと握り返してくれて…
その時の遥の手はとても優しかった
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