「あー疲れたぁ ただいまっと」
ガラガラガラ
ここはとある町にあるとある大きな一軒家「狐壱家」
自転車を車庫に入れ
一人の男子高校生 狐壱誠は自宅の扉に手をかけ引きながら声を上げた
「おーまこっちゃんおかえーり」
帰宅し目に飛び込んだものは玄関前でポテトチップスを片手に持っているケンプファー 蒼撃の姿であった
「ああ、蒼撃ただいまって おいそれ僕のコンソメじゃないのか?」
靴を脱ぎながら近寄りポテチのパッケージを誠は見て 蒼撃を睨みつける

「えぇ?そう?俺も買ったし」
さっさと蒼撃は顔を逸らし 早歩きで去っていく
「おいっ蒼撃」
「けちけちすんなよっ」
チラリと此方を蒼撃は振り返り
ニヤッと笑って部屋の中へ入って行った
「ぐぬっあやつめ・・・」
「主〜お帰りなさいです!」
ガラッタタタタッ
茶の間へと繋ぐ扉が開き
中から黒髪の女の子 ケルベロスバクゥハウンド 夜風が跳びだした
「・・・・ああ、ただいまクゥ」
振り返りながら誠はポンポンと夜風の頭を叩いた
「救汰 おぉい夜風 寒いから閉めてくれよぉ」
声のする方へ向き直ると
茶の間中央に置かれている大型こたつから
「さーむーいー」
銀髪の少年が頭だけだし 声を上げている
狐壱家唯一のショタ要員 ボールの救汰
「ボール技術大佐が閉めるですっ」
「馬鹿野郎 開けた奴が閉めろ」
ムッとしながら夜風が救汰に向かって言うが
直ぐに狐壱が夜風の頭を掴み訂正する
「あぅっ」
「へへっ夜風 それ常識だぜっ」
その姿を見て救汰は笑いながら呟く
「あー寒い寒い」
暖かそうなこたつを見て
小走りで狐壱は茶の間の中へ入り
扉を閉め こたつの中へ入る
「おいっ救汰体を中に居れんな」
「速いもんがちーだろー?」
救汰と同じように狐壱も首まで潜ろうとするものの
先に入っていた救汰の体にぶつかり
文句を言い合う
「ちょ、私だって寒いです」
そこに置いてけぼりを喰らった夜風まで
茶の間の中へ入りこたつに入ろうとする
そんな時だ
ガラッ
「救汰 そんなにとるんじゃ他に入らないでしょう? マスターも先に着替えたらどうなんですか?」
ジムスナイパーUの千草が茶の間の扉を開き
文句を言った
「千草ただいま、いやっ寒くてさぁ風呂に入るまで制服でいいやぁ」
着替えるのが面倒になり
狐壱はそのまま動こうとしない
「まだお風呂まで時間はあります」
「ぁーマジかぁ」
時計を指さしながら千草は狐壱を見る
が狐壱は目を伏せながら返事をする
「マスター 協力」
と、そこにまた千草の方と逆の縁側の方から水色の髪をしたヅダの空蓮が顔を出し呟いた
「・・・ああ、悪い」
パッと目を開き
のそのそと狐壱はこたつから這い出る
「迷惑かけたら駄目だな、うん」
そしてそう言いながら茶の間をでて
自室のある二階へと上がって行った
「たっだいまぁ ってあれ?主帰って来てる?」
ガラガラガラ
狐壱が上がると同時に玄関が開き一人の少女が笑顔で帰ってくる
「・・・・・」
ガチャン
自室に入ると同時に狐壱は無言で鍵をかけた
「さっき部屋に戻ったです」
「ふーんっヘイ主 寒いから温まるまでダンスすればいいんじゃない?」
一階からさっき帰ってきたストライクノワールの影嵐が呼びかける
しかし間髪入れずに
「僕が寒いの苦手で運動嫌いって知ってんだろうがっ」
部屋から狐壱の声が響いた
「苦手だからこそ 私だって人付き合いが苦手だったけど今は」
「今も昔も運動は嫌いさ」
自慢そうに胸元に手を置き影嵐は喋ろうとしする
しかしそれを遮るように狐壱は言い放った
「ありゃりゃ」
「まこっちゃんがやる訳ないだろっ?」
階段横の部屋から蒼撃が覗くように体を出し
ポテチを頬張りながら声をかける
「そうだよねーあっ蒼撃さん なら蒼撃さん踊る?」
「いんやー?パース」
やっぱりか と言わんばかりに頷き
気が付いたように誘うが
ニッコリと蒼撃は笑いながら断り 部屋に戻る
「えぇっ」
声を上げるものの
部屋の中からは蒼撃の笑い声が聞こえる
その状況を見て
「さて、テレビテレビ」
「夕食」
それぞれは逃げるかのように呟きながら離れていく
「あぅ・・・一人」
ガラガラガラ タッタッタ
そんな中二階から扉の開く音と
だるそうに階段を下りる音が響いた
同時に影嵐が階段を覗く
そこには頭を掻きながらショルダーバックをからっているセーターにジーパン姿の狐壱の姿が
その姿を見た途端
「主!!ダンス」
「しない、今日は夜戦決行日だろ?」
ショルダーバックを見せ そのまま台所へと移動する
「や、夜戦ですっ」
「落ち着け」
夜戦 その単語を聞き夜風が跳びだそうとするが
直ぐに頭を押さえつけ黙らせる
「夕食の仕度が出来ましたよ」
台所から千草の声が聞こえ
「晩飯!!」「今日はなんだー!」
ドカッバキッ
「ごふっおまえら」
蒼撃と救汰は狐壱を跳ね除け
駆け出す
その際にグーが腹や胸元に・・・
その場に崩れながら狐壱は恨めしそうに声を絞り出すのであった
「主 しっかりするです」
慌てて夜風が近寄り肩をつつくが
無言で狐壱は立ち上がり夜風の頭を叩いた
ガチャ
そしてそのまま台所の扉を開くと
「うまーい」
「さっすがちーさんだねぇ」
ホクホク笑顔でばっつりたべている
狐壱家の数少ない男子男性陣(二人)
は勢いよく平らげていく
「・・・・夜風」
フライパン片手に立っていた空蓮が
スッと夜風にベーコンたっぷりのチャーハンを渡す
「わぁ 空蓮姉さんありがとです」
そして大事そうに両手で持ち夜風も席に着く
「マスター・・・」
言葉短く空蓮はテーブルの方を指さす
それを辿って狐壱は自分の席を見ると
野菜たっぷりと入ったチャーハンが・・・
「・・・はい」
少しうっとなりながらも頷き
狐壱は席に着きスプーンを手に取る
そして一口
「・・・・」
なぜチャーハンの中にゴーヤが入っているのだろう
食べて直ぐ狐壱は固まりそう思った
グイッ
唐突に隣から袖を引っ張られ
狐壱はそっちを向くと
「」
隣に座っていたドライセンの武芽が無言で水の入った狐印のコップを渡す
「ん、助かる」
一気に飲み 口の中のゴーヤを狐壱は流し込み一息つき 
また食べ始めようとした 

グイッ
「ん?」
食べ始めると同時にまた武芽が袖を引っ張る
スプーンを置き狐壱はそちらをまたみる
すると
コンコン
少し困った顔で武芽は皿の上をスプーンでつつく
そこには明らかに避けられて置かれているゴーヤが・・・
「・・・ゴーヤ嫌いだったな武芽」
思い出したように狐壱は呟き
それに武芽は頷く
「でも、食べなさい 俺だって食いたくない」
ギロリ
言うと同時にコンロの方から千草と空蓮の鋭い視線が突き刺さり
思わず狐壱は顔を逸らした
「救汰に頼みな 俺無理」
そう言ってまた食事に戻ろうとするものの
グイッ
袖を引っ張れる
「おかわり!」「大盛り!」
武芽の向かいでは救汰と蒼撃が皿をコンロの方へ差し出す
「はいはい」
「」
その皿を千草と空蓮は受け取る

因みにテーブルの配置は次のようになっている

   空席 空席 影嵐 蒼撃 救汰   
夜風「     テーブル    」狐壱
   千草 空蓮 白天 露花 武芽    
良く食べるメンバーはメンバーで集められている
因みにここに 陸 空 水 宙の4部隊があるものの
それぞれが仲の悪く合同では食事をとらないのだ(千草 空蓮 白天 救汰 蒼撃は除く)

部隊編成はこちら

陸 部隊長 千草
隊員 蒼撃 影嵐 夜風 露花
空 部隊長 白天
隊員 その他数人(超自由)
水 今は全員不在 
知り合いの方に住み着いてる(こちらも超自由)
宙 部隊長 空蓮
隊員 救汰 武芽 露花 その他一人 

話を戻します

「さてはて」
困ったような顔を作り狐壱は頭を働かせる
どのようにしてこの現状を切り抜けるかと
チラリと狐壱は武芽を見る
「・・・お願い・し・・ます」
途切れ途切れで細く今にも消えそうな声であったが武芽はお願いする
殆ど喋らず 戦闘時にしか話さない武芽
「ちぃとばかしだからな?」
そのお願いを聞き
狐壱は千草たちがこっちを向いて居ない事を確認して
素早くゴーヤをすくい 呑みこんだ
「お、遅れましたわ」
バタン
荒々しく台所の扉が開かれ
入ってきたのはピンクの髪をした女子
ゴールドフレーム天ミナ(通称 天ミナ)の露花であった
「作戦決行日に 全くもう」
睨みながら千草がチャーハンを差し出す
それを無言で申し訳なさそうに受け取り
何かを言おうと口を開く
それと同時だった
「「言い訳せずに食え 早く食え」」
蒼撃と狐壱はハモりながら静かに制した
うぐっとなりつつ露花はそのまま食事をとることに
「まこっちゃん俺のセリフ」
「ああはいはい、主らしいことなんざしない方が俺らしいよ」
自虐的に狐壱は笑い食器を流しへと持っていく
それを見て蒼撃は笑うが
千草に睨まれすぐに笑みを消す
「食い終わったんなら持っていくぞ」
「はぁーい」
コクコク
それから食べ終わった夜風 武芽などの皿を片づけ始め 洗い物を始める
「各自 自分の武装を整え一旦座敷に集合 救汰最終チェックするぞ〜」
「おーうっ」
少し緊張感のない声で狐壱は呼びかけ
それに緊張感のない声で救汰は答える
「えーっと あたし等出番ないよね?」
皆が移動する中
白天が自分を指さしながら聞くものの
「ぅーん、配備つーかねぇ家の警備任せるから 今回挑戦状叩きつけられただけだし」
ニッコリと狐壱は笑いながら言い
「りょうかーい」
つまらなそうに白天は返事を返した
それから座敷にて十数分
「つーことで 作戦はいたってシンプル正面から潰すのと 奇襲隊の変則攻撃 それにダイレクトサポート」
「なんだ いつものか」
「装備は救汰の指示に従え」
ホワイトボードを使い説明するものの
いつものとなんら変わりはないので
つまらなそうに蒼撃がため息をつく
その後ろで救汰がレポート片手にチェックを行っていた
「家は空部隊に 陸で出撃 宙は作戦本部にて 行くぞー!」
「おお!!」
天井に向かって狐壱は拳を突き上げる
それを続き 陸部隊の面々も拳を突き上げた

つづく●●

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