囚われ(完結)
□囚われ
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初めて会ったのは…
私が18の時。
弟の秋栄が高校一年の夏
「春姉、友達連れてきたからなにか飲み物ある」
「お帰りなさい秋栄、私も今帰ったからどうかな何かあったら部屋に持って行ってあげるから…何人?」
「一人だよ」
「お邪魔します」
秋栄の声より低いトーン続いて「北嶋隼人です」と彼は名乗った。
この田舎町に似つかわしくない風貌、坊主頭や短髪がここら辺の学生に多い中、少し長めの黒髪で弟と同い年とは思えない長身と体格、真っ黒な瞳、整った鼻に少し薄めの唇。
彼を見てポカーンとしてる私に秋栄が
「春姉、北嶋とまだ会ったこと無いよね〜入学と同時に引っ越して来たんだよ」と説明してくれた。
「どうりで見ない顔だな〜って思ってて…隼人君ごめんなさい、姉の春子です、よろしくね」
「妹かと思った」
私を見据えながら一言言った彼に秋栄が
「なっちゃんは小学生だよ〜部屋行こう」と笑いながら言った。
私は三つ編みをして真面目な学生そのものって感じで……
それが初対面。