進撃の巨人夢小説:「はじめまして、お久し振り」

□smile
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「兵長、本気で言ってらっしゃるんですか?」
その声は、いつもの優しい声ではなく、鋭く、冷たい声だった。
「この空気で冗談言えるほど、俺は馬鹿じゃねえ。寧ろ、お前は本当はそう思ってるんじゃねーのか?」
「思ってません」即答だった。 
「私はただ、…」モネは言いかけて口を噤んだ。
「何だ?言いたい事があるならハッキリ言え」
「いえ、私情ですので。それより、自分が死んだ方が良かったんだろうとか、二度とそんな事いわないで下さいね?」いつもの調子でにっこり笑った。
「おいはぐらかすな…」「ね?兵長?」「………分かった」勢いと、どこか凄みのある笑顔に負けた。だが、言いたい事を言ってスッキリしたのか、先程までのイライラとした気分は大分収まっていた。
「では、夕食までまだ少し時間があるので、もう少し休んでて下さいね」とモネが立ち去ろとして、ふと手が触れた。冷たくて小さい、あの時の手だった。
「ありがとう」
自然と言葉が出た。自然過ぎて、言葉を発したリヴァイさえも何を口走ったのか分からなかった。
「いいえ、どういたしまして♪」
モネは一瞬ポカンとしたが、クスッと笑って部屋を後にした。リヴァイもリヴァイで、まあ良いかと流し、薬の副作用で襲いかかってきた睡魔の手をとった。
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