小説

□4月1日
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4月1日









そう。

今日は4月1日。


つまり…


「エイプリルフールじゃき!!」

そう。


エイプリルフールだ。


「お前はいつも嘘ついてんだろぃ?」


「ブン太酷いぜよ…」

あぁ…


詐欺師が何を言うか…


「ブン太」

「ん?」


「別れよう」



………は?



「仁王…」


「ん?」


「消えろ」


あぁ…

やべぇ…


きっと今

俺、泣きそうだわ。



「ブン太…」


「うぜぇ。早く消えろぃ」



「嘘じゃよ?」



「知ってる。だか…っ!?」


消えろ。


そう言おうとしたら


抱き締められていた…



「嘘じゃ。嘘じゃよ」


わかってる。


けど…


「…っ…ヒクッ」


「ブンちゃん…」



「ブンちゃん……ゆう…なっ…」


「ごめん」



バカ仁王…


なんであやまんだよぃ…


「ブン太…ごめん」


仁王が頭を撫でてくる




バカだろぃ俺…


たった一言で


泣くなんてさ…



「ブン太」


「るせーっ…」



「今日…エ「エイプリルフールだろぃ!!」」



「おん…」



「なら仁王消えろぃ!!離せ!!」


「………。」


仁王の手に力が入る

「ブン太


愛してるぜよ」

……。

嘘…か。

なら

俺だって…

「仁王…俺、「ブン太」」

「んだよ!?」


軽く逆ギレしてみる



「エイプリルフール終わってるぜよ?」


「え…?」


あ…

時計を見ると


12時7分



あぁ…


あの言葉は



嘘なんかじゃなかったのか。


なら…


「仁王」

「ん?」


「俺も、愛してるぜぃ」





4月1日。


エイプリルフール。


そう。


嘘をつく日だ。





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