東方死滅郷〜乱〜

□9000hit記念クロス作品 猟奇:前編
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〜〜とある人里二つに挟まれた山 上空〜〜

?「山の向こう側まで買い出しか……無茶言うよなあ店長も…俺が“妖怪で”空飛べなかったら…つまり普通の8歳の少年だったらどう考えたってへばるよなぁ……」

一人の少年が愚痴のようなことを言いながら、それでいて全く不愉快そうでなく、むしろ楽しそうにそこを飛んでいた。
外見は、くしゃくしゃに立った紺色の髪、黒い長袖にカーキの短パン、頭には黄緑色の鉢巻きをつけていた。
見た目は8歳ほど…
まだ幼さがある目つきに、背丈に、顔だち……

……そして、一番特徴的なのが…

鉢巻きについた黄色いハート、そこから伸びた緑色の管のようなものが体の周りを生き物のように囲み、それのちょうど胸のところに緑色の球体があり、球体からは目が開いていた。

彼は…悟り妖怪だった。
彼のその第三の目は……白目を向いていた。

?「いやぁ…なかなか……“楽しい”もんだな……」


〜〜数十分前 とある人里のとある飲食店〜〜

店長A「おい念(ねんじ)!」
念「はいはい!」

その店の店長の呼びかけに、かなり陽気そうに応じる少年、念。

店長A「相変わらず楽しそうだな。お前、ここでバイト始めて何年になる?」
念「え?」

いきなり聞かれて少し驚く念だったが、すぐに心を読み取る。

念「(大事な話か…)もう、4年になりますね。」
店長A「!もうそんなか!年取らないなお前……入ってきたときと顔変わってねえぞ。」
念「“妖怪”ですから!」

そう言って歯を出して笑う念。

念「店長は髪の毛減りましたよ?」
店長A「あぁん!?こいつぅ!」
念「ハッハッハ!!」

ゲラゲラと笑う念の肩をバシリと叩く店長。

―――こいつなら…もう頼んでも大丈夫そうだな―――

念(……信頼…か…)
店長A「よし!じゃあお前もそろそろ一人前にうごけるみたいだし、一つ頼みごとをしたいんだが、いいか?」
念「はい!大丈夫ですよ?」

念は店長から、紙切れを一枚渡される。
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