my small lover
□ごあいさつから
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これは現実だろうか。夢でも見ているのだろうか。
フィギュアが動いてる。さっきまで妖艶な笑みを浮かべキメていたはずのフィギュアが、不機嫌そうに眉間に皺を寄せ辺りを見回している。
口をぱくぱくさせながら凝視していたら、こちらに気づいたようで見上げながら声をかけられた。
「お前…巨人族か?その服、海軍か?」
喋ったー!!フィギュアが動くわ喋るわ、一体どうなってるの。これは夢だ、きっとそう。
「答えろ」
私が混乱して何も答えずにいたら、長い刀の鞘で思いっきり向こうずねを殴られた。痛い。夢じゃなかった。
「きょ、巨人族でも海軍でもない、です」
「じゃあ何でそんなにでかい。悪魔の実か」
「私がでかいんじゃなくあなたが小さいだけかと…」
「あぁ?」
「ひっ」
小さいのになんて威圧感だ。怖いし訳わかんないしで、ああなんか涙出てきた。負けるな私。
「ここはどこだ。クルーをどこへやった」
「ここは私の部屋です、クルーさんは知らないです」
「チッ」
思いっきり舌打ちをして、くるりと背を向け歩き出した。
テーブルの下からごみ箱の横を通って、夕空の見える窓へ歩き出した。
「あの、どちらへ」
「ここにいてもしょうがねェ。出る」
「多分ですけど、お仲間はいないと思います」
「何だと?」
ものすごい殺気を放ちながら、こちらを振り返った。萎縮しながらローの近くまで歩み寄り、そこにしゃがみこんだ。
「私は敵じゃありません。あなたのことも知ってます」
そう前置きしてから、説明を始めた。
「あのですね、」
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