my small lover

□落下から始まる
1ページ/2ページ



嬉しい。嬉しい嬉しい嬉しい!


逸る気持ちが足を動かし、始めは歩いていたはずの帰り道を、いつの間にか駆けていた。

ローファーの少しだけ高い踵も、彼女の気持ちを止める材料にはなり得なかった。

「まさか…まさかとれるなんて!!…ローのフィギュア!!」

先刻から一体何に興奮していたかというと、学校帰りに寄ったゲーセンでプレイしたユーフォーキャッチャーにてゲットした大好きな『トラファルガー・ロー』のフィギュアである。

普段、ユーフォーキャッチャーなんてからっきしなのだが、一生分の運を使い果たしたのか、なんと一発目で捕ることができた。

いつもゲームセンターでフィギュアを見つけても、3回トライしてダメだったらやめるようにしていた。

だめで元々、そう思って投入した百円玉が、この上ない喜びを連れてきたのだ。

早く帰って箱を開けたい―そう思って帰路を全力で駆けていた。



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ