短編〜海賊

□捕えられた心
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『きみをみてる』続編。先にそちらをご覧になることをお勧めします。













私の頭を撫でていた大きな手が、ゆっくりと離れた。

頭のぬくもりが去っても、クレアは顔をあげられないでいた。

今私の顔はきっと真っ赤になっている。とてもペル先生には見せられない。

好きで好きでたまらなかった人が今目の前に座り、頭をなでてくれたという事実が、クレアには幸せすぎた。

「そうだ、カーターさん」

ペル先生が思いだしたようにクレアを呼んだ。はっと顔をあげると、いつものペル先生がそこにいた。

自分はこんなにも幸せで、こんなにもどきどきが止まらないでいるのに、そうさせた本人がなんでもないということが、少しだけ悲しかった。

所詮教師と生徒でしかないという事実を突き付けられたようで、胸の奥がちくりと痛んだ。



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