難儀なことだ
□難儀なことだ3
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そんな伊作の様子に雅時が首を傾げる。
「伊作?」
「暇だから薬を調合するんだ。あ、雅時もすることないなら包帯巻き手伝ってくれない?」
伊作の頼みを聞き、雅時はまだ眠っている女性を窺う。
…恐らく、まだ当分は起きないだろう。
すると、寝るわけにもいかずやることがない。だから、伊作の頼みに頷いた。
「よかろう。」
「本当に!?ありがとう!」
結局その夜に女性が目覚めることはなく、雅時は包帯巻きを、伊作は薬の調合を延々としているだけの夜となった。