放っておいてくれ
□放っておいてくれ 番外編2
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結果的に、修行は見てもらえた。
ふてくされる美和を必死になだめたのだ。
「酷い、私だって雅斉君と一緒にいたいのに!」
「あー、うん。でも俺、お前のためにも強くならなきゃだからな。…修行で疲れた俺を出迎えて、膝枕でもしてくれ。」
俺がそういうと、美和の表情は一気に緩んだ。大丈夫かなこいつ。
「そ、そういうことなら…。約束よ!」
「おう。」
こんな会話があって、なんとか利吉さんに修行を見てもらうことになった。
ちなみに、利吉さんには同情の視線を送られたが。
「…君も面倒なのに惚れたねぇ。」
「それ言ったら終わりですから。」
俺は思わず即答してしまった。だって、仕方ないじゃないか。あんな面倒な女、俺はなんで惚れたんだろう。
もうどうしようもないことだが。
「それより、皆と仲直りしたみたいでよかった。」
利吉さんの優しい声音。表所を見れば、優しい表情。
なにこのお兄さん的な感じ。
てか、別に仲直りってわけじゃないが。
まぁ、いいや。
「それより、修行見てください。」
「そうだね。」
修行を終えて部屋に帰ると、妙に張り切った美和がいたのは、また別の話。
美和を見た瞬間、
…膝枕ってこんなに張り切るものだっけ?
なんて俺は思った。
俺の許嫁は意味わからん女である。