放っておいてくれ

□放っておいてくれ 番外編
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親父以外のタソガレドキの忍を見ると、彼らも知り合いだった。
小頭である山本陣内、諸泉尊奈門、高坂陣内左衛門だ。
というより、知り合いどころか揃って俺の兄的存在だったりする。
なんか、俺のテンションが急上昇した。

「うお、山本のおっちゃんと兄ちゃん達まで一緒か!」

思わず駆け寄った俺。ちなみに、俺は小頭のことは山本のおっちゃん、高坂のことは陣左兄ちゃん、諸泉のことは尊兄ちゃんと呼んでいる。
皆、俺が小さい頃から面倒を見てくれた人だったりする。
山本のおっちゃんは、俺の頭をぽんぽんと撫でる。

「久しぶりだな、元気だったか?」

「おう。」

頷くと、尊兄ちゃんを見た。尊兄ちゃんに関しては、面白い話を聞いたぞ

「幸い、チョー君なんてあだ名をつけられるなんてことはないぞ。」

「なっ…!雅斉、何でお前がそれを知ってるんだ!?」

お、のってきたな。期待通りのいい反応だぞ、兄ちゃん。

「何でって…。陣左兄ちゃんに聞いたんだ。」

「…は?高坂さん!?」

「なんだ尊奈門、お前、気にしてたのか?」

「当たり前です!」

…ちなみに、親父は蚊帳の外で拗ね気味である。

「…何でここまで反応が違うんだろうね。」

それに答えたのは、何故か親父の膝の上にいる鶴町。

「エキサイティング〜」

…答えにはなっていないな、これは。てか、えきさいてぃんぐって何。
そんなことを考えているうちに、尊兄ちゃんは猪名寺につかみかかっていた。

「おい、今すぐ土井半助のところに案内しろ!」

「え、そんな…無理ですよ。」

…そりゃそうだ。
取り合えず、俺は尊兄ちゃんの頭を後ろから叩く。

「こら、猪名寺を苛めんな、兄ちゃん。」

「いたっ!何するんだ!」

なんか喚いているが、無視だ、無視。

「大丈夫か、猪名寺。」

「あ、はい、ありがとうございます。」

「ねぇ、雅斉。」

「なんだ、善法寺。」

「その箱は?」

「ん?ああ、先生からお前らに渡せって言われた。あのやろー、休日に手伝わせやがって…。」

「ああ、そういえば仙蔵が言ってた。教養の授業、爆睡だったんだって?」

「え、授業で爆睡したんですか月波先輩!」

「げ…何で聞いてるの川西。」

「授業で寝るとか、どういうことですか!」

「さ、左近、ちょっと落ち着いて!」

「おう、その調子で川西を宥めてくれ三反田。」

雑渡達は、雅斉と保健委員のやり取りを見て安堵を覚えた。
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