放っておいてくれ
□放っておいてくれ20
4ページ/4ページ
場の空気に全くついていけない雅斉は、全てを諦めたように天井を仰ぐ。
…なんなの、本当に。
今の俺の話のどこに泣く要素があったんだよちくしょー。
取り合えず、自分のした話を振り返ってみる。曖昧な記憶をせっせか思い出した俺はなかなか凄いと思うぞ。
だが聞いてても面白くない昔話にしか思えないぞ、俺には。
そしてひとつ、俺は最近思うことがあるのだ。
「なぁ、綾部。」
ひっつき虫をやっている綾部に話しかける。奴はきっと、泣いていないはずだ。
「なんですか。」
「俺は最近、話の内容的には間違いなく当事者なのに、現実の話し合いでは俺一人だけ置いてけぼりなことが多いんだ。これってなんでだ?最近流行ってるのか?」
「いーえ。先輩が空気読めてないだけですね。」
…なんて言いやがったこいつ。俺は場の空気を的確に読んでる…はずだ、多分だけど。
てか、俺はどうすればいいのさ。