放っておいてくれ

□放っておいてくれ 番外編3
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ハチと仲良かったら…な話の要望があったので、書いてみたお話です。
時間としては、まだ和解する前で仲が悪いときのお話。
でも、ハチとは普通に仲良しだよ、な感じです。
本編とは微妙に違います。




放課後、俺はのんびり歩いていた。片手には食堂のおばちゃんが淹れてくれたお茶。
勿論、部屋にはお茶請けの大福がある。俺の至高の時間か到来しようとしていた。
んな訳で上機嫌で歩いていると、角を曲がったところ辺りで声がした。
言い争っているらしい、険しい声。
………元気の使いどころ違うよなこいつら。
なんとなく、そう思って身を潜める。
すると、聞こえてきたの聞き覚えのある声。

「だから、あの人はそんな人じゃないって!なにも知らないくせに偉そうなこと言うな!」

………あれ、ぽん太(竹谷)の声だ。なにしてんのこいつ。
次に聞こえてきたのは、別人の声。

「は、ちょ、なんでお前、そんなに必死になってるんだよ?月波先輩のことだぞ?」

「そうだぞ。あの人、同級生を突き落としたんだろ?先輩方も月波先輩には冷たいし、月波先輩って絶対性格悪いだろ。」

………どうやら、俺の話だったらしい。
性格悪いだのなんだの言われてるが、ぶっちゃけた話、どうでもいいと思ってるやつらになに言われようが痛くも痒くもない俺である。
………さぁ受け流せよぽん太!

「んな訳あるか!月波先輩は性格悪くなんてない!すごい優しい人のなんだよ!」

………………応戦してどうするつもりだ、ぽん太。
それやるとお前の人間関係にヒビ入るからやめとけって、俺は何回も言ったぞ。

「いや、だから先輩方だって月波先輩には冷たいし………」

「やめとけって。竹谷になに言っても無駄だ。放っておこうぜ。」

なんというか、この俺にとっては意味不明な争いは終結に向かおうとしている。
放っておこうぜ、と言ったやつの声音は、ぽん太に対する侮蔑が混じっていた。
終結するのはいいことだが、これはまずい。このままだとぽん太の人間関係にヒビが入りかねない。
仕方なく、俺は出ていくことにした。
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