放っておいてくれ
□放っておいてくれ29
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これはきっと、神様があたしにくれたチャンス。
そう考えれば、合点がいく。ただ嘆くことしかできなかったあたし。やってもやっても終わらない、そんな地獄。
「神様には、感謝しないと。」
小さく呟いた。これで少しは、感謝の気持ちが届くように。
神様はあたしを見ているかな。無宗教なあたしが神様にここまで感謝したのは生まれてはじめて。
これを機に神様を信仰しようかな。無宗教なあたしは、時々祈る対象が欲しくなる。神様はあたしの祈る対象にうってつけ。だって、あの地獄からあたしに救いの手を差しのべてくれた。神様はなんていう名前なんだろう。
ありがとう、あたしはあなたのお陰で救われました。
「頑張らないと。」
そう、いくらここがもとの世界とは違う世界だとしても、ここにはいつまでいられるか分からない。それまでにやれることをしておかないと。
そう思い、心を入れ直す。そして力強く叫んだ。
「絶対に赤点回避してやるんだから!」
あたしは意気揚々と『English』と書かれた教科書を取った。