放っておいてくれ

□放っておいてくれ24
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…ついにボケやがったなこのじいさん。
学園長を前に、俺はそう思った。
いやね、だって仕方ないじゃないか。
立花からの伝言を受けて学園長の庵に来た俺。
どーせろくな用事じゃないと思ったよ、そりゃ。でも、想像以上だった。昔、天才忍者だとか言われてたらしいが、ある意味本当にこのじいさんは天才かもしれない。
だって、第一声が

「よいか雅斉、お前は今日から委員会に所属しなさい。話は通してある。」

だったからな。意味分からん。
しかも、所属は生物委員会。俺は昔生物委員だったらしいから、それは分かる。
が、何故か委員長になることになったらしい。何でだ。

「…ついにボケましたね、学園長。」

そう答えてしまった。
すると、学園長はなんか騒ぎ始めた。

「儂はまだボケとらんわ!」

…ボケてるやつに限ってそう言うって相場が決まってんだろうが。

「いや、だって今更になって委員会って…。しかも委員長?んなもん無理ですよ。」

「何を言っておる。皆と和解し、これから普通の学園生活になるのじゃ。委員会活動も欠かせんじゃろ。」

…いや、和解の方はうまくいってねぇよ、なんか奴らしつこいから。忘れろって言ったのにいつまで引きずるつもりだ、あいつら。
しかも、委員会してなくても俺は平和だったぞ、俺なりに。

「面倒なので嫌です。」

正直に言うと、学園長の機嫌がみるみる悪くなる。めんどくせー。
そして学園長はそのまま言う。

「近々、全校での実習があるのは知っとるじゃろう。」

…あ?あー、あの面倒な実習ね。

「一応は。」

「その実習では委員会別で行動することになる。人数比の関係でお前が生物委員にならないと困るのじゃ。」

「いやいやいや、別のやつに頼んでください。てか、委員会入ってない奴は?」

「いや、生物委員の経験があるのはお前だけじゃからの。雅斉でないと困る。その他の者に関しては、ちゃんとした役割がある。このいたいけな年寄りの願い、聞いてもらえぬか。」

…最後の方は演技かかってますよ学園長。いたいけ、の意味を辞書で調べてくださいね。
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