海の上の日常。
□大人のティータイム
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「は…?い、今何て?」
「いや、だからさ、ナミさん…。」
昼間のキッチンにて。
ナミさんとフランキーに紅茶とアップルパイを出す。
我ながら良い色に焼きあがって美味そうだ。
久々に大きな島に着いたとあってみんなはそれぞれ町へと繰り出して行った。
※※※ちゃんはというと、作品をギャラリーに売り行くと言って、大きな絵を背中に背負って出て行った。
俺も※※※ちゃんと早く町へ出たかったが、クジで俺とナミさんがハズレを引いて船番。
早々にフランキーが船内で作業すると戻って来たから、早いとこ買い出し行って※※※ちゃんと合流しようと思ったが、ふとした事で話に花が咲き。
普段は主にルフィやら…中身がガキの奴らがいる為あまり大人な話は大っぴらにしねぇが。
このメンバーな今。
そっち方面の話に流れてる。
「え、わたしの聞き違いよね?まさかあのサンジ君が…。ねぇフランキー?」
「おう、少なくとも俺の知ってるサンジじゃ…ありえねぇ。まさか。俺はてっきり、とっくのとうに…」
「はぁ…。」
俺は溜息をつくとカウンターに寄り掛かり、煙草に火を付けた。
「だからさ、※※※ちゃんとはまだ…やってねぇんだ。そういう事は。」
「う、嘘でしょ?サンジ君は手が早いと思ってたけど…。いえ、絶対そのはずよ。あなた誰?」
「あの女好きコックが?あんなイケてる小娘にまだ手ェ出してねぇと?お前話勘違いしてんじゃねぇのか?セックスの話だぜ?セックス。」
「すげぇ言われ様だな…。ナミさん、残念ながら俺は偽者じゃねぇ、いつもの俺さ。フランキーてめぇもナミさんの前ではっきり言ってんじゃねーよ!分かってるよ!」
そうさ、何を隠そう、俺はまだ※※※ちゃんとは一夜を共にしてねぇ。
「そうなんだ。※※※には聞こう聞こうと思ってまだ聞けてなかったから。…ふーん、そう。」
ナミさんはテーブルに片肘をついてアップルパイを一口頬張ると、下から上まで俺を見回した。
「意外や意外。お前さんそういう男だったのか?本気の女には手が出せねぇって質か?」
フランキーも紅茶を啜りつつ俺を見る。
俺は思いっきり煙を吐き出すと、ナミさんに断りを入れ仕方なく話す。
「失礼ナミさん…こんな事、レディーの前で言う事じゃねぇが…。そりゃあ俺だって※※※ちゃんとヤりてぇさ。いつだって触りてぇし、彼女が望むなら毎日だってしてぇ。…何度欲望を殺した事か。」
すぐにだって襲ってしまいたいに決まってる。
強引に奪いたい衝動にも駆られる。
※※※ちゃんみたいなコ、目の前にして俺が我慢できる訳…
それに加えて、彼女も俺を好きでいてくれてる。
こんな最高のシチュエーションで、俺は…。
「だが、こういう事に関してここまでの気持ちは初めてっつうか…。いつもなら欲望に負けるが…。あんな綺麗な※※※ちゃんに俺が触れたら汚してしまうって思うと…彼女の事が大事過ぎて戸惑っちまう。まぁ…死ぬ程我慢してんだが。」
少し不甲斐ない気持ちになり、笑ってしまった。
「彼女とはゆっくりでも良いと思ってる。俺は兎に角彼女を大事にしてぇ。」
「うぉう!泣けるじゃねぇか!サンジ!お前やっぱりスーパーだぜ!良い男だなぁ!見直したぜ!」
「んー。」
「おい、何だよナミ!お前冷てぇおんなだなぁ!」
「いや、そうじゃなくって。サンジ君のその気持ちは尊敬するわ。ちょっとホッとしたし。でも、」
ナミさんは持ってたフォークをペタペタと唇でバウンドさせつつ何か考えている。
「あくまでひとつの例だけど…。あんまり大事にしすぎて女の子からみれば、物足りないって事もあるわよ?」
俺はナミさんの発言に目を丸くした。
「※※※も早くしたいって思ってるかも。」
ナミさんはビシッとフォークで俺の方を指しニヤリと不敵に笑った。