海の上の日常。

□恋心。模索編
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ああ、頭の中
ぐるんぐるんしてる…



サンジくん。



サンジくん、

愛しいよ…!







「※※※?…※※※そこに描いたらまずいんじゃないかしら?」

「……へ……?」

図書室で床に座ってソファーをテーブル代わりに。画集やら資料集やらを開きつつ作品のアイディアを練っていたわたし。
が、気づけば知らない内に、本にスケッチしてしまっていたようで。


「っわーっ!!まずいまずい!」

わたしったら何してるんだ…!


「…※※※ったら。いつもより更におっちょこちょいが増してるじゃない。どうかしたの?」

ロビンがしゃがみ込んでわたしの視線に合わせてくれながら言う。
ロビンさん、そんな優しい仕草と微笑みなのに言葉はちょっと痛いよっ。

「…うぅん…。」


※※※ったらうろたえてたのに、急に肩を落として。目を泳がしてるわ。何かあったのかしら。

「※※※…?」

「ロビン…。」

あら、これは恋のお悩みね?
※※※ったら分かりやすいんだから。顔に恋してますって書いてあるわ。

「※※※、頬っぺがピンクになってるわよ?」

ツンと頬っぺを突つくと※※※は驚いた様に両手で頬っぺを覆って。本当に可愛いわね。

「ロビン〜…わたし、気づいちゃったみたいなんです…」

「ふふふ、何にかしら?」

おおよそ予想はついていたけど、本人の口から聞きたいわよね?

「わたしね、好きみたい。サンジくんのこと。」

「ふふ、そう。」


※※※って照れ屋さんなのにはっきり言うのよね、こういうことは。
コックさんじゃなくてもイチコロになってしまうわよ?

「ロビン、驚かないの?」

「ええ。知ってたもの。」


え!
知ってた?!
わたしだって一昨日気づいたのに!
ロビン、そんなニッコリ笑って…。

「その気持ち、もうコックさんには伝えたのかしら?」

「ううん…。」





*・*:.。. .。.:*・゜゚・*



あの後※※※の恋の話を聞いたのだけれど…。

※※※ったらこんな気持ちになれただけでも幸せだなんて言うから…。
素直に気持ちを言う※※※には珍しいと思ったわ。…私にははっきり言ってくれたのにね。
もっとよく聞いてみると、どうやらコックさんの女性好きがそうさせてしまってるみたいね。

私から見れば彼の女性への態度は、※※※が仲間に入ってから前より控え気味になっている気がするし、※※※は特別だという風に見えるわ。
でも※※※が言うには、コックさんは女性みんなに優しいからって。寧ろ航海士さんの事を想ってるんじゃないかなんて事も言っていたわ。

多分、コックさんは航海士さんに対して、恋よりも尊敬という気持ちが大きいんじゃないかしらと思うけれども。
確かにはたから見たら好きに見えるかもしれないわね。

それに私も本人から聞いた訳では無いからあくまで推測でしかないのだけれど…。

まぁ、ここは本人達に任せましょう。
航海士さんは彼が相手だなんて言うと心配だっていうだろうけれど、私は彼なら安心だと思うわ。

ふふ、何だか楽しくなってきたわね。




「ロビンちゅわんっ、そんな嬉しそうな顔してどうしたんですか?」

あら、噂をすればね。

「何でもないわ。…それより※※※の様子が少しおかしいのよ。コックさん、あなた何か心当たりは無いかしら?」

放っておくつもりが、ついハッパをかけてしまったわ。私ったら。

「え、※※※ちゃんが?…あ、あーいや。なんつーか、あるような無いような…。」

なんて頭を掻きながら、曖昧な答えの彼。


※※※ちゃん、一昨日も様子変だったもんな。自惚れる訳じゃねぇが、やっぱり期待しちまうんだが…。

「あ、あと※※※が、あなたの傷まだ心配してたわよ。」



安心させてあげたら?とロビンちゃんは微笑んだ。
俺の傷なんて大丈夫だってのに。
どこまで君は優しいんだ。
それに近づけば近づかれる程、好きになっちまう。
…気持ち我慢するのも限界があるんだぜ?


兎に角、
※※※ちゃん、今どこにいるかな?

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