海の上の日常。
□もしかして
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「はぁ…はぁ…はぁ…」
「はぁ…は…※※※ちゃんっ…!」
わたし今走ってます。
サンジくんと一緒に。
はい、追われてるんです。海軍に。
やばいです、やばいやばい!
「※※※ちゃん!そのまま真っ直ぐ走って…!」
「わぁ〜…は、はいっ!」
サンジくんと食糧の買い出しに来てた所を見つかってしまい、今わたし必死です。
(でもわたしのスピードじゃ追いつかれるのも時間の問題…サンジくんごめん〜足引っ張ってるなぁわたし…)
(まずい、※※※ちゃんの足じゃ捕まっちまうな。ここは…)
ぐい!!
「!きゃ…」
「失礼、プリンセス。」
どきん。
(わ、わたしお姫様抱っこされてる?!)
サンジくんは軽々とわたしを持ち上げ走り続ける。
「サンジくんっ…」
(これじゃサンジくんがきついよ…)
「大丈夫、俺に任せて。」
わたしが目で訴えるとすべて分かっているという様に優しい言葉をくれる。
(あ、あれ…わたしどきどきしてる…こんな時にわたしのばか…っ!)
!
「あっサンジくん!上っ…!」
屋根から飛び降りてきて、サンジくんの斜め上から切りかかろうとしている海軍が見えた。
(まずい…切られちゃう…!)
「!…※※※ちゃん、俺の首にしっかり捕まって。」
思わずぎゅっと目を瞑った瞬間、サンジくんが耳元でそう呟いた。
ぎゅっ。
がくんっ!!
「俺の※※※ちゃんに指一本触んじゃねぇっ…!!!」
ドゴーン!!
「え…すごい」
「…一昨日きやがれ、クソ野郎ども。」
サンジくんはわたしを抱き抱えたまま、飛びかかって来た海軍を後ろから追ってくる海軍の方に蹴り飛ばしていた。そうして相手がまごついてる間に、わたし達は無事に船の前まで辿り着いた。
「※※※ちゃん、無事着いたぜ。」
「……。」
…あれ、わたし…どうしたんだろ?
そんなに怖かったのかな…?
「※※※ちゃん?」
「サンジくん…」
どっくんどっくんどっくん…
どきどきが止まらないよ。
サンジくんの顔が近い。
目の前にあるサンジくんの首筋とか、
体を支えてくれてるスラっとしてるのに逞しい腕とか、
耳元で聞こえる低い声とか…
やけに敏感に反応しちゃって。
わたしどうしちゃったんだろ。
何?
何か!
へん!
変……!!!
「※※※ちゃん?どっか痛い?」
は!
「だっ大丈夫っ!なな何でもない!ありがとサンジくん。」
どうしたんだろ、いつもと違う!
動揺しまくりじゃない、わたし!
サンジくんは心配そうにわたしを見ながら下ろしてくれた。
「っ…」
(…え…?サンジくん今一瞬苦しそうな顔…)
「!サンジくん背中怪我して…!」
(わたしを庇ってたから…!いつもだったらきっとこんな怪我もらわなかったはず…)
「ああ、ただの擦り傷さ。何ともねぇよ。」
「サンジくん、わたしのせ…むぐ!?
言葉にする途中でサンジくんの手に口を塞がれた。
「エンジェルを抱っこ出来て俺は最高に幸せだったぜ?※※※ちゃん。」
ニッコリと微笑んだサンジくんはわたしの頭を優しく撫でた。
「…っ///」
あ、あれ?
やっぱり、今日わたし本当におかしいな。
サンジくんと目合わすの何か恥ずかしいんだもん…!
いや…
それより!今はサンジくんの怪我だ!
「と、兎に角、早く治療してもらわないと!」
船に上がりチョッパーにサンジくんを引き渡すと、一旦気持ちを落ち着ける為、女部屋に戻った。サンジくんの治療についてたかったけど、1分でも良いからひとりで気持ちの整理をしたかった。
ぼすん。
ベッドに身を投げる。
「はぁ…」
………
サンジくんの戦う姿カッコ良かったな…。
あんなのみんな見惚れちゃうよ…。
それにお姫様抱っこなんて。
サンジくんの体熱かった。
サンジくんの真剣な顔、あんな間近でみたの初めてかも…
どきどきどきどき
は!またどきどきしてる!
それにサンジくんの事ばっか!
わたし、
わたし
わかった。
わたし、
サンジくんが
好きだ。