謎解きの書

□恨みのこもった前菜サラダ
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7月某日 明朝4時30分





何時もの様に、起きてベッドから下りて、着替えてパソコンの電源を着ける。この部屋は瀞楼財閥の令嬢、瀞楼霧逢の部屋である。彼女は令嬢であるのに、令嬢らしくない寧ろ現代のネット好きであり部屋もそうである。


「………やけに静かだ。可笑しいな、もう母さんだって起きてるはずなのに……。」


霧逢の母、榎菜は毎日明朝に起きて温室の庭の手入れをしている。




瀞楼邸 温室の庭内


「……母さん、居ないの?」


(可笑しいなぁ、居ると思ったけどな…。部屋に居るのかな?部屋にでも行ってみるかな。)


瀞楼邸 榎菜の部屋


コンコン

「母さーん、もしかして寝てるの?もう5時になるよぉ。」


シーン……


「あれ、霧逢。母さんの部屋の前で何してるの?」


「あ、兄ちゃん。母さんが起きていないんだ。日課の庭の手入れしていなかったから部屋に居るのかなぁって。」


「返事はないのか?」


「無かった。」


「…母さん、寝てるの?」


「母さん、起きて!」


「……鍵が開いていない。執事の間内さん呼んでくる。」


「分かった。」









5分後




「お嬢様、ただ今参りました!」


「間内さん、早く鍵を開けて!」


「霧逢、落ち着いて。きっと大丈夫だから。」



ガチャ!


「母さん!」


その時、榎菜のベッドを見た瞬間、霧逢は騒然とし目の前が真っ暗になりそうだった。


「……霧逢?」


「お嬢様……、一体どうされたのですか…?」


「……を、…………んで。」


「え?」


「警察を呼んで……。母さんが死んでる…!」


「は……、はい!!ただ今お呼びします!!」
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