MAIN−黒ー

□サヨナラ
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「真ちゃん…俺達もう別れよう」


冬の寒さの厳しい夕暮れ俺達はいつものように
一緒に帰っていた


分かれ道に差し掛かったあたりで俺が
別れを切り出した


真ちゃんは、突然の事に固まっている


「だからさ、普通の友達に戻んない?」


「お前はそれでいいのか」


「…いいよ」


だってさ
俺達が付き合い続けても幸せな未来なんて
待ってる訳ないじゃん


俺は真ちゃんに
何もあげられない


どんなに体を重ねても
子供なんて作れない
柔らかい体なんて
持ってない


俺は真ちゃんの足枷に
なってしまう



「真ちゃん…もう俺の事は忘れて普通に女の子と付き合って幸せになってよ」



「……………」



「……………」


「分かった…」


「真ちゃん、大好きだったよ」


「俺もだ…」







これでいいんだ
俺は、今もこれからも
真ちゃんを嫌いになんてなれない


でも、もう終わった恋


頬を伝う生暖かい雫を拭う




俺はこの想いを
胸の奥深くに
しまいこんだ



.

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