ディアラバ

□にいちゃ! 3
1ページ/1ページ





「………」


何か視線を感じているシュウ

まるで、こちらが呼んでいるのに呼ばなくても気づけとそういっているような

感じる視線の先には


「…何、レイジ」

「…僕は何も言ってません」

「視線がうるさい。何か用でもあんの」


シュウの言葉に、レイジは少しもじもじしながら顔を下げた


「…ゼミ…」

「また教えて欲しいのか?」


シュウの問いかけに、小さくうなずくレイジ

いつになればこの次男は素直になるのかと思いながら、シュウはレイジの頭に手をおいた


「わかったわかった。教えてやるよ」



レイジは小学四年生だが、例のあの通信ゼミを一年上のものをやるタイプだ

なので説明の分だけではよくわからないところもあるため、よくシュウに教わっているのだが

先ほどの通り、最近反抗期なレイジは素直に"教えて"と言えないわけで


「お前またわからないとこ溜めたな…ま、いいけど」

「……」

「あー、いや、別に責めてる訳じゃないから。どんどん聞けよ?」


どれから聞くんだ?と問いかけるシュウにレイジは無言で問題に指を差す

そんなに話すのがいやならユイにでも聞けばいいのにと思いながらシュウら問題を解き始めた



「あー…これは…」

「…いいんですか?高校生が小学生の問題をすぐに解けないなんて、恥ずかしいじゃないですか」

「お前…教えてもらってる立場の言葉か?もう教えてやらねーぞ」

「でも事実じゃないですか。僕なら絶対貴方みたいなのにはなりません」

「はいはいはい、うるせーな。本当にやめるぞ」


二人の間に火花が散りつつ、問題を二人で手ほどきしていく




そして一ヶ月後


「今回100点でした。まぁ僕の手にかかればこんなの朝飯前なんですけど」


そう言ってレイジはゼミのまとめテストの結果をシュウにみせつける


「おぉー。よかったな。今日の飯はレイジの好きなカルボナーラにしてもらうかー」


素っ気なさげに言うシュウだが、それが最大の祝いの言葉だと理解しているレイジは


(ほ…褒めてもらえた…)


と、歓喜していたとかしていないとか











___________________________

反抗期でもレイジくんはシュウお兄ちゃんが大好きなんですよ。

ユイお姉さんに聞かないのはなんだかあまり知らない人に勉強してるところを見られたくないとかそんなんです

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ