ディアラバ

□にいちゃ! 1
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けたたましくなる目覚ましの音

そこから俺の朝は始まる


「…んん…はぁ…」


朝7時、俺は渋々立ち上がり制服に着替え、ジャケットを片手に部屋を出る


「おはようございます、シュウさん」

「んぁ…おはよう」


家の事情で一週間ほど前からうちの家にしばらく止まることになった一つ年下の女、小森ユイ

しばらくの間ではあるが、確かな戦力を手にまた今日を過ごす覚悟を決めた


「俺は三つ子をやる。お前は残りを頼んだ」

「わかりました、任せてください!」




俺たちの家はデカイが、一人一人に部屋が当てられているわけではない

俺とユイは1人部屋だが、下の弟たち5人は3人と2人で分けられて使わせている

俺はその三人の方の部屋に向かう


「おら、朝だぞ。さっさと起きろ」

「ぅわっ!」

「んー…せっかちにーちゃん」

「………」


三つのベッドの掛け布団をそれぞれはがしていくと、まだ夢と現実の間を彷徨っている三人が顔を出す

1人はすでに夢へと引き込まれているようなので、そいつが抱えているテディベアを引っこ抜いた

すると目玉が一気に開かれ、ガバッと起き上がる


「ぼ、僕のテディになにするんですかぁ!!」

「カナトが起きないからだろう。着替えは用意しといてやるから、時間割りが済んだらおりてこいよ」

「投げないで!痛かったね、テディ…」


カナトにクマを返すと、タンスから三人分の服を探し、用意する


「シュウ!朝ごはん何?」

「アヤト、俺のことはなんて言うんだったか?」

「兄ちゃん!朝ごはんなに?」

「フレンチトースト」

「僕も食べます…」

「…ライトは?」

「んんー…たべる…」

「じゃあ着替えここに置いとくから。そうだな…長い針が4のところになるまでに降りて来い」


10分を刺している時計の針を見ながら言った

全員もう小学3年にもなるので時計の読み方は学んだかもしれない(っていうかこの前アヤトが自慢して来た気がする)が、覚えてるか定かではない

着替えをそれぞれ投げつけて、部屋を出る

すると、足元に白い塊が飛び込んで来た


「あぁ、スバル。お前着替えてないじゃないか」


一番末っ子で現在小学二年のスバルがパジャマのまま俺の足に抱きついて離れようとしない

後ろから困ったような顔をしたユイが小走りで近づいてくる


「ごめんなさい、"なんでお兄ちゃんじゃないの"って駄々をこねられてしまって…」

「あぁ…ダメだろ、スバル。ユイお姉ちゃんをが困るようなことをしたら。いつでも兄ちゃんがいるわけじゃないんだぞ」


しゃがんで目線を合わせながら行ってみるが、一行に顔を現す様子がない


「……明日兄ちゃんが起こしに来て」

「わかったわかった。じゃあお姉ちゃんに謝れ。そしたら明日は兄ちゃんが行くから」


スバルは顔を上げると、ユイの方に体を向けた


「…ごめんなさい」

「ううん、いいのよ」


ぺこりと頭を下げて言ったスバルの頭を軽く撫でてやった


「ちゃんとできたな。スバルはもう小学二年生のお兄ちゃんだもんな?」


そういって褒めてやれば、スバルは物凄くわかりやすく嬉しそうな顔してうなづく

可愛い。だがしかし断じてブラコンではない。

しかし、どこぞの反抗期真っ只中の次男よりは数倍可愛いと思う


「よし、じゃあ着替えて今日の時間割りをして朝飯たべるぞ。いって来い」

「うんっ」


スバルは満面の笑みで再び顔を縦に振り、走って部屋に戻っていった


「…いい弟ですね…」


愛おしそうな顔をして見送りながら言うユイ

ユイもすでに自分の弟のように面倒を見ていてくれている


「全員あんな感じだったら楽なんだけどな」

「えぇ?でも、弟達は皆シュウさんのこと大好きじゃないですか」


ユイの微笑ましい笑顔を見て、俺は苦笑が漏れた


「さっさと兄離れして俺も弟離れできたらいいんだけどな」


言い終わる直前に、ランドセル片手にスバルが入って行った部屋から出てきた少年が1人

俺たちの横を微妙に気まずそうに素通りしたので、仕方なく声をかけてやる


「よぉ、レイジ」

「…」

「おはよう、レイジくん」

「おはようございます」


ユイの挨拶には返事をして階段を降りていくレイジ

アレが最近俺に対して反抗期を迎えるようになった小学四年のレイジである


「…俺は無視か」

「ま、まぁ大目にみてあげましょ?」


ユイの言葉に、小さく舌打ちをしてからもう一度三つ子の部屋に入った


「お前ら用意してんの?ん?ちょっと遅くないか?」

「ぎゃあぁ!びっくりするだろ!!」

「びっくりするだろじゃねぇ。いい加減そのゲーム機取り上げんぞ」


アヤトの頭を掴みつつ、とりあえず笑っておいてやった










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長男以外の逆巻家が小学生だと可愛くねぇか!?という妄想をちょっと前からずっとやってます。
勉強?やってるやってる(棒

そのうち無神家も発売される前に好き勝手やらかしておいたいですww

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