花紅柳緑

□月が欲しいと泣く子供
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 芥川龍之介 20の名言



 1 私は不幸にも知っている。時には嘘によるほかは語られぬ真実もあることを

 2 危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。

 3 天才とは僅かに我々と一歩を隔てたもののことである。

 4 運命は偶然よりも必然である。「運命は性格の中にある」という言葉はけっして等閑に生まれたものではない。

 5 眠りは死よりも愉快である。少なくとも容易には違いあるまい。





 6 あらゆる社交はおのずから虚偽を必要とするものである。

 7 キリストはみずから燃え尽きようとする。一本のローソクにそっくりである。

 8 人間は時として、満たされるか満たされないか、 わからない欲望のために一生を捧げてしまう。

 9 良心は道徳をつくるかも知れぬ。しかし道徳はいまだかつて良心の「良」の字を創ったことはない。

10 我々はしたいことの出来るものではない。ただ、出来ることをするものである。





11 幸福とは、 幸福を問題にしない時をいう。

12 文を作るのに欠くべからざるものは、何よりも創作的情熱である。

13 阿呆はいつも、彼以外の者を阿呆であると信じている。

14 人生は常に複雑である。複雑なる人生を簡単にするものは、暴力よりほかにあるはずはない。

15 懐疑主義者もひとつの信念の上に、疑うことを疑はぬという信念の上に立つ者である。





16 人生は地獄よりも地獄的である。

17 わたしは二三の友だちにはたとい真実を言わないにもせよ、嘘をついたことは一度もなかった。 彼等もまた嘘をつかなかったら。 

18 成すことは必ずしも困難ではない。 が、欲することは常に困難である。 少なくとも成すに足ることを欲するのは。

19 道徳は常に古着である。

20 忍従はロマンティックな卑屈である。



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