花紅柳緑

□月が欲しいと泣く子供
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 森鴎外 20の名言


 1 人の光を籍りて我光を増さんと欲する勿れ。

 2 実に敵という敵の中で山の神ほど恐ろしい敵はいない。
 
 3 僕は生まれながらの傍観者である。

 4 打ち明け過ぐるも悪しく、物隠すように見ゆるも悪しきなり。

 5 現在は過去と未来との間に画した一線である。この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである。





 6 一々のことばを秤の皿に載せるような事をせずに、なんでも言いたい事を言うのは、われわれ青年の特権だね。

 7 英雄豪傑、名匠大家となるには、多少の狂気なくてかなはぬことは、ゼネカが論をも、シエエクスピアが言をも待たず。

 8 けふなり。けふなり。きのふありて何かせむ。あすも、あさても空しき名のみ、あだなる声のみ。

 9 日の光を籍りて照る大いなる月たらんよりは、自ら光を放つ小さき燈火たれ。

10 みんなが誉めるのはおべっかである。六割が誉めて四割がけなすのが人材である。





11 友の変じて敵となるものあり。

12 足ることを知ることこそが、幸福である。

13 世間の人は虎を、性欲の虎を放し飼いにして、どうかすると、その背に乗って逃亡の谷に落ちる。

14 武士はいざという時には飽食はしない。しかしまた空腹で大切な事に取り掛かることもない。

15 私は学殖なきを憂うる。常識なきを憂えない。天下は常識に富める人の多きに例えない堪えない。





16 己の感情は己の感情である。己の思想も己の思想である。 天下に一人のそれを理解してくれなくたって、己はそれに安じなくてはならない。

17 人の長をもって我が長を継がんと欲するなかれ。

18 女はどんな正直な女でも、その時心に持っている事を隠して外の事を言うのを、男ほど苦にはしない。

19 人に言うべき事は最後まできちんと言うがよい。 全部は言いたくないことだったら、むしろ初めから黙っていよ。

20 少壮時代に心の田地に卸された種子は、容易に根を断つことの出来ないものである。



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