蝙蝠は夢想する

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ジェリコが訪ねてきて2時間帯ほどたった頃。

持久戦だと言った言葉通り、彼はまだドアの外に座り込んでいた。

グレタは口元がひきつった。

いつまで待つ気だとか、お腹が空いたが食料品の備蓄がないとか、ついでに絵の具も数種類切らして創作欲求が満たせないとか、その他諸々。

この持久戦は分が悪すぎた。

苛立ちジェリコが背を預けているだろうドアを蹴飛ばす。

「いつまで居るの」

「もう少ししたら帰れる」

馬鹿にしているのだろうか。

もう少ししたら帰れるということは、もう少ししたらグレタが音をあげるとでも思っているのか。

こうなったら飢え死にしようがどうしようが、意地でもドアを開けてなるものかと背を向けたそのときだった。

「お、これで帰れるな」

え?と思った時には銃声が響き、ドアノブが壊れた。
続いて勢いよく開かれた扉の向こうには黒いスーツを着たジェリコ。

後ろには数人の部下を連れていた。
いつもは「館長」としてやってくるのに、今日はマフィアの「ボス」として来訪したというわけだ。
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