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□Congratulations on graduation!
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雪が溶け、そろそろ暖かくなってきて、新しい季節を迎えようとしている二月の終わり。

卒業式を明日に控えた秀徳高校は、壮行式の為三年生も登校していた。

久々に集まった友人達と久しぶりー、なんて挨拶を交わす人々を尻目に最早クラス公認カップルである高尾と緑間は相変わらずだった。

『真ちゃん久しぶりー!
元気だった?病気してない?怪我してない?大丈夫?
俺はもう真ちゃん不足で死にそうなのだよー!!』

『一昨日会っただろう
とうとう頭もいかれたか?
あとさりげなく真似をするな』

『ちょ、頭もってなに!?も ってなに!?!?』



もう見慣れた光景のそれを周りは暖かい目で見守っていた。

あいつらも明日で見納めかー。
結婚式には呼べよホモップル!!
あ、でも同性婚って海外だよな…英語喋れっかな…
なんて、茶化している人もいた。


それを、昔の、入学したての緑間なら鬱陶しがっていただろう。


けれどこの三年間は緑間にとって大きな変化をもたらしたのだ。

入学して間も無く高尾と出会って。
部活やクラスが同じだったために、最初は緑間が一方的に嫌がっていたが、いつしか自然に、当たり前のように共に行動するようになった。
そして人との付き合いというものを学んだ。
冗談を言ったり、協力したり、趣味の話をしてみたり。

勉学だけではなく、人間としてあるべき事を沢山学んだ高校生活であった。

だけど、それも明日で終わる。

高尾と緑間はそれぞれ己の夢のために大学進学が決まっていた。
同じ様に周りの仲間達も進学や就職とそれぞれが自分の目標に向かって一歩を踏み出していた。

嬉しい気持ちと、寂しい気持ちと。

中学の時には味わえなかった沢山の事、いろんな感情や表情が、この学校で学ぶ事ができた。

充実した三年間だったな。と緑間は思う。




『三年生の皆さん、体育館に移動してください』


その校内放送をきっかけに、ぱらぱらと体育館に移動し始める。
毎年恒例の、生徒会主催の思い出スライドショーが放映されるのだ。

一年生や二年生のときはどうでもいいと思って流し見していたが、自分たちの番となるとなかなか楽しみでもあった。


『なぁ、真ちゃん』

『なんだ』

『スライドショー、楽しみだね。
俺たち写ってるかなー』

『さぁな』


自然と笑みが零れるようになった緑間の横顔に、高尾もまた微笑みを向けるのであった。


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