short


□終わりは簡単でした
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『おつかれさまでしたー!』

『黄瀬君お疲れ!
今日はゆっくり休んでね!』

『はいッス!』


無事撮影を終えたオレはソッコーで緑間っちにメールをすべくケータイを取り出す。
すると、新着メールを知らせるランプが点滅していた。
慣れた手つきでボタンを操作してメールを開くと、送信者は意外な人物だった。

『緑間っち…から?』

彼からメールが来るなんて珍しい。
一体どうしたのだろう?
滅多にないことにウキウキしながら新着メールを開く。


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from緑間っち
件名:無題

真太郎の家にいるよ

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『なんだよ…これ…』

気が付くとオレは走り出していた。
撮影の疲れなどどうでもよくなるほど、愛しい恋人が心配だったのだ。
このメールは彼からじゃない。
さっきまでウキウキしていた自分が嘘のように、腹の底から沸き上がる怒り。

『赤司ッ!!!』














『やぁ涼太、こないだぶりだね』

『どういうつもりなんスか?』

『どういうつもりもこういうつもりもないよ。
ただ真太郎とお前のことを心配して見に来たんだ』

『余計なお世話ッス。
つーかアンタ、昔あんだけ緑間っちに酷いことしたのによく顔見せられたッスね。
早く帰ってください、今すぐに』

『ふぅ…折角京都から来たというのに冷たいね涼太は。
それに酷い事なんて一つもしてないよ。
あれは僕なりの愛情表現さ』

イライラを隠さずに思い切りぶつけたはずなのだが全く気にも止められなかった。
あげくわざとらしくため息を付かれて余計イライラした。
ため息を付きたいのはこっちだ。

『冗談キツいッスよ〜赤司っち』

でもそんな赤司っちのことよりも、さっきから終始無言で俯いている緑間っちのほうが気になって仕方なかった。

『ねぇ緑間っち、なんでさっきから俯いてるんスか?
もしかして何かされたとか…』

そっと彼の左頬に手を伸ばした、その時だった。

パシン、と乾いた音が部屋に響いた。
それが自分の手をはたき落とされた音だと気付くのに少し時間がかかった。
何か彼の気に障るようなことでもしただろうか?

『触るな』

気に障るなんて生易しいものじゃなかった。
完全な拒絶の目、嫌悪感を隠そうともしない声音。

『緑間…っち…?』




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