悪魔屋敷
□3.カウントダウン
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「まずはお前の立場。」
ピンと指を立ててライオさんは説明を始める。
「お前は俺達悪魔の餌…天界から差し出された贄だ。これは天界と魔界が平和条約を結んだ時にライ様が出した条件に基づく制度だ。」
「…生け贄制度…?」
「そうだ。」
天界でも皆が知っている制度だ。
これのお陰で雌の天使はガタガタと震えて生きているといっても過言ではない…
「悪魔にはどうしても天使という餌が必要だ。特に俺達みたいな上級悪魔にはな…」
たしかに…この条件が結ばれるまではひっきりなしに天使が襲われてた…
「だから、天界から1人。雌の天使を生け贄として差し出せば、その他の天使を襲うことはしない…」
それが、生け贄制度…
「まぁ、生け贄といっても俺達にとっては大切な食い物だ。出来るだけ無駄にはしたくないし…すぐに取り替えるのも難しい…」
天界側も、天使が襲われなくなったとはいえ…そう易々と生け贄を出したくもない…
それは当然だ。
「だから俺達はお前を、贄を大切に扱う。まぁ、一部例外もいるけどな…」
例外というのは…ケイト君とか…トラテス、シャストンさん…かなぁ?
「まぁ、ここにいる間は俺やキャロルがお前の世話役だ。何かあったら言ってくれ。他の奴らも好感度次第では頼みを聞いてくれると思うしな」
え、なにその乙女ゲーム←
「とりあえずお前の立場はこんなもんだ。次はこの屋敷での制度…俺達やお前に関わる事だ。」
お屋敷での…制度…って何なんだろ?
まだ暖かいミルクティーを口に含みながら耳を傾ける…
「まず最初にお前がぶち当たるのが"一口目の印"だな。」
「ひ、ひとくちめ?」
なんだかさっき…フォルトさんとキャロルさんがそんなことを話し合っていたような…
「一口目の印は…お前を最初に一口でも食べたやつが付ける印…所謂マーキングというやつだな」
なにそれ…
なんか怖いんだけど…
「味見じゃあ駄目だ。ちゃんと食わないと印は付けられない…」
「そ、その印があるとどうなるの…?」
「あぁ…一口目、つまり誰よりも先にお前を食いたかった奴。ということになるな」
うわぁ…
許可が降りた瞬間から戦いが始まるんだ…って感じ。
「一口目はそのあとの"所有権制度"にも繋がる。」
なんか嫌な感じの言葉が聞こえた気がするよ?
所有権…っていった?
「これは、最初にお前を堕とした奴がお前の所有権…もっと簡単に言うと、お前を食べる優先権を手に入れられる制度だ。」
頭がいたい…
私を堕とした悪魔が…私を優先的に食べられるだなんて…
「所有権は一口目と大体一緒になる。俺やライみたいなお前を主食としてない者が一口目だと所有権を持つのは難しい…」
そっか…
食べるのは大体さっき説明してもらった4人…
その4人のモノになる可能性が高いということか。
だとすると…
私はフォルトさんがいい
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