悪魔屋敷
□3.カウントダウン
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「キャロルだ。」
ライオさんの口から聞こえたのは意外な名前…
キャロルさんって…いっつも私のお世話してくれてた……あのヒト…?
「想像できないか?まぁ、無理もない…職務中は手を出さないからな」
「えっと…」
やっぱりわからなくて、不思議だなっと思って首をかしげる…
「最初に言っただろう?アイツは色欲の悪魔だ。女を犯して生きてきた様なもんだな」
色欲…
天使である私の最大の敵だった。
「キャロルさんが…」
彼の柔らかい笑顔が浮かぶ…
あれも、餌を手に入れるための手段の一つなのだろうか?
――本当は欲しいのであろう?喉から手が出る程。――
フォルトさんの言葉を思い出す…
キャロルさんも、悪魔なんだよね…
いいヒトだって…思い込んでた。
絶対、優しいヒトだって…
「キャロル…さん…」
「そんなにショックか?」
ライオさんの問いに、私は頷くことしか出来ない…
「……うん。」
だって…あんなに優しくしてくれたのに、それも…私を食べるためなんだって考えると…胸が苦しい…
「そうだな…裏切られた気分か?」
「……。」
コクリと頷く。
「でもな、アイツのあの料理…お前への気遣い…そしてお前への笑顔。あれは気に入った奴にしか見せない、真面目な姿だった。」
……?
「つまり、アイツはお前を気に入っている。色欲なんて関係なく、アイツはお前と一緒にいたいらしい。」
気に入ってる…?
「私が…キャロルさんに気に入られてるの?」
首を傾げれば縦に首を振るライオさん。
気に入られてるって言うことは…何か特なのだろうか?
やはり悪魔はわからない…
「キャロルは、気に入った奴には無理はさせないし…何より大切に扱う。つまり…食事の際には、きちんと相手の同意をとる。」
ってことは…
「私が嫌だって言ったら…」
「お前を食べることはしない。」
キャロルさんに気に入られることは、かなり特をするってことだ!!
私はまだ…堕ちたくはない…
「だが…アイツの我慢が効かなくなったら話は別だ」
え…?
「白い奴が出てきたら…ほぼ確実に食われる」
しろいやつ…?
なんだろう…それは…?
「そこはアイツが話してくれるだろう。お気に入りにはちゃんと説明するだろうしな」
そっか…
キャロルさんはやっぱり優しいヒトだったんだ!
「まぁ安心しろ。アイツがお前を堕とすことはないだろう」
え…そうなんだ…
「この屋敷でのお前の立ち位置や制度について…軽く説明してやる。」
どこからかティーセットを準備し、暖かい紅茶をカップに注ぎながら…ライオさんは語る
それが…
これからの私の役目。
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