悪魔屋敷

□3.カウントダウン
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「お前の精気は上流階級並みなんだがなぁ…俺の検討違いか?」


え…?


「最初見た時から気になってはいたが…お前の精気は澄んでいて綺麗だ。」


え、えぇ!?
なになになに!?

えっと…口説かれてる?←


「俺達悪魔にとっちゃお前の精気はご馳走に近い…」


違ったようだ!←

怪しく口元で笑いながら、ずいっと顔を近付けられた。
思わずぎゅっと目をつむる。


――こわい…!


身体は強ばってカタカタとふるえだす。


「安心しろ、俺は食わねぇよ。」


ポン、と頭の上に手が乗せられて撫でられる。恐る恐る顔を上げると、とても優しそうな表情で笑うライオさんの顔が見えた…

この人…さっきも思ったけど、すごく優しいヒトなんだ…


「それに、まだ許可が降りていない。」


そうだ、さっきからキャロルさんも言っていた…


「あの…」

「ん、なんだ?」


少し不安だが…
聞くだけ聞いてみよう。


「今、私はまだお客様なんですよね?」


先程キャロルさんが言っていたことだ。
私はまだお客様だと…


「あぁ、ライ様の許可が降りるまで…お前はこの屋敷に招かれた客人ということになる。」


なるほど…
でも、そうしたら…


「許可が降りたら…私は、わたしは…」


言葉に詰まる…
怖くて言えない…!


「………。」


ライオさんは黙って私の言葉を待っている…


「…に…贄に、なっちゃうんだよね?」


自分の末路くらい…知っててもいいかもしれない。
これからはまともな生活ができないのだ。


「そうだな、ライ様の許可が降りたら…お前は俺達の贄になる。」


だよね…そうなんだよね。
私はそのために、ここにきたんだから…


「贄は俺達の食料。贄がいなければ天界とのバランスも取れない…俺達は、無駄に被害を出したくない…すなわち戦争を避けたい。」


なんだろう…
ライオさんがなにか難しい事を言い出した…


「お前は贄、天界との架け橋だ。手荒な真似はなるべくしたくない…」


………ぇ?


「お前は贄になることを過剰に怖がっているようだが…今と変わらないぞ?」


えっと…なんだって?


「贄になったからといって、お前の立場、扱いは変わらない。変わるのは1つ…」


ここでライオさんは一呼吸置いて…


「お前はアイツらの食い物になる。という事だ」


寒気がした…

食い物…食料…私は、悪魔の食料。
天界から差し出された生け贄…


「俺は別にお前を必要としていない。お前が必要なのはこの屋敷の中で4人」


伸ばした指で4を示して見せる
あ、あれ?さっきと計算がちがう…


「わかりやすいのはあの二人…か?」

「ト、トラテスと…シャストンさん…?」


先程の事で身体が震える…


「怖かったか?」

「…うん。」


だろうな。と頭を撫でてくれるライオさん…やっぱり優しい。


「大丈夫だ、アイツはあぁ見えて可愛い奴だ…」


うーん…よくわからないや…


「あとはフォルト。まぁ、アイツはフツーの食事もするが…ただ抱き枕が欲しいだけだ。」

「だ、抱き枕?」

「あぁ、たまに贄を抱き枕にしている。やはり寝心地が違うらしいな…」


抱き枕…が贄の仕事…?
だからさっきの計算が合わなかったのか…
た、怠惰の悪魔さんだからなのかなぁ…やっぱり何かがおかしい気がするよ…


「え…あと1人は?」


私が会ったのはあとケイト君だけ…
でも、彼はそうじゃない気がする…

じゃあ…
……だれ?


「想像できないのか?」


コクリと頷く私を見て、彼は苦笑した。
だって、ライ様は食べないのだろうし…

ライオさんは小さくため息をつきながら言った



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