悪魔屋敷
□2.7匹の悪魔達
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目を覚ますと薄暗い部屋のベッドの上にいた…
眠い目を擦りながら起き上がれば、見慣れない家具が沢山置いてある。
まだ眠っている自分の脳でぼんやりと考えていると…
=コンコン…
ノック音が部屋に響き渡る。
「…は、はい…」
恐る恐る返事をすれば、昨日も聞いた柔らかい声が聞こえる。
「朝食をお持ちしました。」
「ど…どうぞ」
失礼します。と軽く頭を下げて、朝食が乗っているのであろう台車を押して…キャロルがやってきた。
「今日はクロワッサンをお持ちしました。紅茶はダージリンを用意しましたが…ミルクもお入れしましょうか?」
てきぱきと目の前に朝食を並べながら彼は問いかける…
「お願いします、あと…お砂糖もたくさん…」
「わかりました。甘いミルクティーを用意しますね♪」
柔らかく微笑む、そんな彼が悪魔だなんて思えない…
「どうぞ、召し上がって下さい」
目の前には美味しそうなクロワッサンとミルクティー…
焼きたてなのだろう、暖かいクロワッサンを手に取り一口食べてみる…
「………おいしい」
パリパリの食感がたまらない、でも中はふわふわとしていてバターの香りが食欲をそそる…
「これ…キャロルさんが作ったんですか…?」
不思議になって聞いてみた…
彼は料理もできるのだろうか?
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