Shorters
□ヒト キオク
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[υ]-εγλ0001/02/30
ジュノン
「ところでレノ君、見知らぬタークスがよい働きをしていたな。名前は?」
その言葉が、心の何かに引っ掛かった。
「覚えておこう。今後の活躍を期待していると伝えてくれたまえ」
ちらりと、隣に目を移す。
今隣にいる社長は、昔社長の護衛中に死んだタークスを覚えているだろうか
ふと、そんな疑問が頭をよぎる。
くだらない
答えなんてわかっているのに。
自分に呆れながら
副社長は、いつまであいつの名前を覚えているだろう?
また、くだらない疑問が浮かぶ。
わかりきっている
生き残っている間だけだ。
それは当然のこと。
常に死と隣り合わせのタークス。
それだけに入れ代わりが激しく、いなくなったものは過去の記憶として忘れ去られる。
もうずっと繰り返してきた、これがタークスのシステム。
いつか、その流れに組み込まれるのだろうか
あいつらも
俺も。
これもまたくだらない疑問だな、と自分を笑った。
to be countinue...
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