カンナ村療養シリーズ
□豆
1ページ/6ページ
豆 1
まだ戦の最中のころ‥‥カツシロウは思った。
尊敬するキュウゾウの技量と自分の技量の差に、経験値‥‥つまりサムライとして生きた年数の差も影響しているのではないかと‥‥。
《‥‥?そういえば‥キュウゾウ殿は‥‥?》
そして今は冬。
カツシロウは、自分のせいで瀕死の状態になったキュウゾウの世話に、かかりきりになっていた。
医者は言う。
「相当ひどい状態でしたが‥‥まあ‥普段から鍛えておいでのようだし、お若いようなので普通の人よりは早い回復も見込めましょう」
キュウゾウの容態について責任を感じているカツシロウにとって、何よりの朗報である。だが医者の言葉の一部分について気にかかることがあった。
《‥‥お若い‥‥?‥‥一体キュウゾウ殿は‥‥。》