カンナ村療養シリーズ

□戦のあとで
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戦のあとで 1


激しい戦が終わった。

本当に激しい戦だった。

だが‥‥幸いなことにカンナ村自体の被害は思ったより少なかった。
あの戦の折‥‥突っ込んでくると思われた巨大な都が、村の手前ギリギリで止まったことが大きな原因だろう。
そして一番心配された田畑を潤す水脈も、キララとコマチの尽力の結果、以前と変わらずに確保できるようになり、村人を安心させた。

彼らはカンナ村を真に命がけで守ってくれた七人のサムライ達を、心より感謝しまるで神を崇めるが如く崇拝していた。

もう野伏せりが来ることもない。
精魂込めて作った米が奪われる心配はない。
女たちが連れて行かれることもない。

何よりも顔色をうかがってビクビクしながら生きることをしなくてよい‥‥。

辛く悲しい今までの日々に‥‥神々しいまでの光が差し込んで、誰もが喜びに満ちていた。

反面‥‥彼らが雇った7人のサムライの半数以上が、この戦で命を落としたという知らせを耳にして‥‥村人全員が九腸寸断するほどの悲しみにくれ、カンナ村流に喪に服そうとした。

だが‥‥。

彼らは生きていた。
サムライ7人全員が‥‥辛うじて‥‥ではあったが生きていた。

確実に死んだと思われていたものたちがどうして‥‥と不思議‥‥もしくは無気味に思うであろう。

あの戦の後、何が起こったのか‥‥。
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