dream■long_Croco vs Dofla_T

□えせ番外編
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「今年も今日で終わりだねー!


毎年恒例、カウントダウン年越しを始めまーす!!

今年はワノ国風だよ!」



レトロ洋風の鰐屋敷に無理矢理畳を敷き詰め、炬燵を運び込んで準備していた名無しさん。



参加させられたのは勿論お馴染み、クロコダイル、ドフラミンゴ、ロビン、ダズ(オマケ)。



名無しさん以外相当な大柄なので、炬燵で犇めき合ってちょっと異様な光景だ。




「ふふふ、

毎年恒例って名無しさん貴方、去年まで居なかったわよね。


BWにそんな風習は無いわ。」



「何ですと?!

年越しは皆で揃ってって毎年やってなかったの?!」



「いちいちするわけねェだろ。


なまじしたとして、俺がコイツを呼ぶと思うか?」



「フッフッ、

俺だって名無しさんが呼ばなきゃ来ねぇよ。」



「俺も社長命令が無ければ貴様の招集になど…」


「煩いよ、この鰐マニアハゲ!


蕎麦が伸びるからつべこべ言わずサッサと食う!」



一同はそれぞれの前に置かれた、初めて目にする食べ物に目を遣った。



「ソバっつーのかコレ。

…グレーの麺たァ、いまいち食欲が湧かねぇなァ。」



「細く長く長寿を願う縁起物だと、文献で目にしたことがあるわ。」


「きゃー流石ロビン姐さん!


いつもながらの博学っぷりが素敵っ!」



「フッフッフッ!

俺ァ細くなんざ真っ平御免だぜ!


当然、太く長くだろ?」



「ぎゃー最低ドフラミンゴ!


いつもながらの下ネタっぷりが下劣っ!」



「糞鳥野郎、てめェは毎回毎回…

枯らすぞ!」



「…フッフッ、


これも恒例行事なのか?」





毎度お馴染みのくだらぬ諍いが落ち着くと、一同は恐る恐る蕎麦を口にする。


どうやら美味だとわかり胸を撫で下ろすと、暫し麺をすする音だけが響いた。




「ぷはー!

ご馳走様美味かった、万歳!我が故郷の味!



…って、そうこうしてるうちにあと五分でカウントダウンじゃん!


皆早う、立ち上がり来年の抱負を!」



「ふふっ、案外企業らしい年越しじゃない。


じゃあ、闇の仕事が少し減るよう願うわ。」



「ね、姐さん、何だか後ろ向き…!」



「貴様を解雇に追いやることだな。」



「フッフッフッ、


名無しさんをモノにすることに決まってらァな。」



「ふざけんな糞鳥、名無しさんを落とすのは俺だ。」



「か、解雇…!

モノ扱い…!

突き落とす…?!


始まる前から酷い一年になる悪寒!!」



「名無しさん、あと30秒よ。」



「…っのわぁー、

カウントカウント!!




…3、


…2、


…1、




ハッピーニューイヤー!!」




両手を上げて跳びはね、そのまま勢い良く皆のほうをクルリと向く名無しさん―



(抱き着く気か?!)



咄嗟に仰け反るダズと、
期待満々に両腕を広げるクロコダイルとドフラミンゴ。





ムギュー!





「今年もよろしくね、


大好きっ!!」




「ふふっ、


…可愛いわ、宜しくね名無しさん。」




「……。」



「……。」



ロビンに撫でられて幸せそうにする名無しさんを眺めながら、虚しく腕を元に戻す男二人。




まさか、今年の真の敵は…


と、思わず顔を見合わせるクロコダイルとドフラミンゴであった。
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