dream■short_T
□任侠教師溺愛編
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強面…というよりもはや凶悪犯顔の生活指導の教員二名に、呼び出されたのはお馴染み名無しさん。
入学以来この二人に溺愛され、指導という名の異常なほどの過保護ぶりはエスカレートしていくばかりだった。
当のクロコダイル先生とドフラミンゴ先生は、本日から衣替えで軽装になった名無しさんが指導室に入るなり、一斉に眉間に皺を寄せた。
「白は中が透ける。夏服は禁止だ。
年中ブレザーを着用しろ。」
「胸元開けてんじゃねェ。
シャツのボタンは一番上まで留めて、リボンは首周りに巻いとけよ。」
「スカート丈が短ェ。
足首まで長くしろ。」
「生脚をちょっとでも男どもに見せんじゃねぇよ。
膝上までのソックス履いとけ。」
「念を入れて下にジャージも履け。」
「思い出してみたらブレザーも結構身体のライン出まくってたよなァ。
もうツーサイズでかいやつ買っとけよ。」
名無しさんは、うんざりしたように溜め息をついた。
「…それ全部言う通りにしたら、ダサい女子高生世界一になっちゃいますよ。
友だちいなくなります。」
「男避けになってちょうどいいじゃねェか。」
「いや老若男女問わず避けられますって。
ほんと誰も私なんて襲いませんから、心配してくれなくて結構です。」
「フッフッフ、まァその役割は俺だからな。」
「てめェふざけんじゃねェ。
名無しさんに手ェ出していいのは俺だけだ。」
「それが教員が生徒にする発言ですか!?
助けてください猥褻行為されちゃいますー!!
校長先生〜!!
理事長先生〜〜!!!」
「フッフッフ、俺らに意見できる奴なんざこの学校にはいねェよ。」
「そういうことだ。諦めろ。」
急に結託した二人を睨みつけ尚も叫ぶも、両隣にある校長室と理事長室からは、作ったような沈黙しか流れて来なかった。
「もーヤダ!!
早く卒業したいーーー!!!」
ピクリとまた一斉に片眉を顰めるクロコダイルとドフラミンゴ。
この発言が不幸にも留年工作の陰謀に繋がってしまったことを、名無しさんは後に知ることとなる。